その221 冬の乾燥、「水」を飲んでいない?
前回、筆者の体験から目の乾燥について触れました。
介護現場でも冬の乾燥は大きな問題です。
何度か話題にしていますが一番は感染症対策でしょう。
インフルエンザなどのウイルスは空気が乾燥しているとよく飛散して感染の危険が高くなってしまいます。室内の湿度を上げ、50%以上を保ち、マメに床を消毒(空気中の水分に触れたウイルスが床に落ちているため)する…というのが介護施設での基本的な感染予防対策でした。
冬は洗濯物を部屋干しにする、大きなお鍋でお湯を沸かす、外は寒いですがマメに窓を開け換気する…すべて重要な業務でした。
次に、肌トラブルもあります。
若い方でも冬は肌が荒れやすいですが、高齢者はさらに気を付ける必要がありますね。冬の空気は湿度が40%~10%ほどで、対策をしないとどんどん身体の水分が失われてしまいます。先に書いた室内の保湿はもとより、お風呂上りの塗り薬によるスキンケアも大事な支援の一つでありました。
筆者は介護職員になってはじめて知ったのですが、こうした乾燥対策はイコール「脱水対策」でもあるのですね!

「脱水」などというと夏のイメージですが、空気が乾燥し何もしなくても身体が乾いていく冬時期は実は「かくれ脱水」の季節といわれています。夏のように「ああノドが乾いた…」という自覚がないぶん、いつのまにかかくれ脱水にかかっている人が多いそうです。
症状としては口の渇きやねばつき、指先を中心に皮膚がかさつく、ふらつき、めまい、疲労感など夏の脱水と同じものも多いのですが。
ほかにも手足の冷え、食べ物が喉を通りにくく食欲が低下する、頭がボーっとする、足がむくむ…などもありまして、これはちょっと紛らわしいですよね。
冷えやむくみは寒いから、食欲なくボーっとするのは風邪気味かも…なんて、ちょっと「脱水」のイメージとは違うかもですが。冬はこれらも脱水が原因の可能性があります。ご用心ですねえ。
そもそも、冬って部屋の保湿やスキンケアはやかましく言われますが夏のように「こまめな水分補給を!」とはあまり言われませんよね。
そしてよく考えてみると今時期、そもそもあんまり「水」を飲んでいないんじゃないか…どうでしょう。
なにしろ冷たいですから(笑)水。あったかいお茶やコーヒー、スープなどは飲んでいても、混ぜ物のない「ただの水」はだいぶ少なくなっているんじゃないでしょうか。
ただ水は体内の老廃物を捨てるのにも必要ですから、コーヒーやスープばかり摂っていると「身体に捨てるものが溜まった状態」になってしまいますね…(^^;)。
チェックは簡単でお小水の色です。普通に健康な人なら水をしっかり摂ればお小水は透明に近くなるはず。このごろいつも尿色が濃い、なんて方は台所に行って「ただの水」を飲んでみてはいかがでしょうか?
…実はこれ、筆者が3年前に坐骨神経痛をやってしまった体験談でもあるのです(^^;)。引っ越し直後で部屋に暖房がなく、寒くて「ただの水」なんて何日も飲んでいなかったのですね!ずっとコーヒー飲んで仕事していましたが、完全にかくれ脱水だったのでしょう。脱水は身体が硬くなり、神経痛にも非常に悪いモノですから…。

以来、寒い冬でもなるべく水を飲むように、また面倒でもお湯をわかして白湯を飲むように心がけております。
おかげさまで神経痛の再発はありませんが、いやあ冬の脱水も本当に怖いものですね!
春まであと少し。
乾燥、いや脱水に負けずに過ごしたいと思います!