その227 選べるうちにいろいろ試してみること
数か月前に「お米」の話題を出しましたが…。

相変わらず、お米の値段は下がりませんね!
というよりますます値上がりを続けている体感です。
政府備蓄米も市場に放出されたというのに市場に旨く出回らない状態。いったい何が原因なのか、ニュースの経済のプロからもハッキリした答えが出てきません。まして素人にはわかるべくもなく、全く困ったものです。
先のコラムで筆者はこれを機会に「麦」についていろいろ調べてみようと書きましたが、今回はそんなお話をさせてください。
結論から言いますと、筆者はいま3か月ほど主食を「麦」に変えております。
「麦」といってもうどんやパンなどの加工品ではなくつぶつぶの状態の麦です。ふだんはお米と混ぜて炊く、あの麦ですね。いろいろ種類はありますが。
体調に異変もなく、味にも調理法にも慣れ、お米との違いは様々あれどムリなく続けられております。
常用しているのは大麦の、「米粒麦」というものです。
まず麦を試そうと思ってスーパーに行ってみたら、思ったよりたくさんの麦や加工品があることに驚きましたね!
炊き込み用の「もち麦」「押し麦」。常温で食べられる「オートミール」。ほか燕麦、カラス麦、はだか麦、などなど食べた覚えがない麦の名前がいっぱいでした。40年以上生きてきて、毎日のように買い物をしていて、こんなに麦のことを知らなかったのかと呆れるほどの豊富さです。
なじみがあるのはパンや麺、せいぜい小麦粉くらいのものでしたが。無加工の粒状態のもの、押しつぶした平たい状態のほぼ無加工に近いものなどもいろいろ売っていたんですねえ。
次に加工品は飽きやすいのでなんとか炊飯器で炊けて、「お米のごはん」に近い食べ方ができないか?を調べてみました。
すると「米粒麦」という、粒のまま少し形を整えて比重をお米に近づけた大麦があることを知りました。本来はお米と炊き込んだときに混ざりやすい商品のようですが、そのまま麦100%で炊いてももちろん問題はありません。
炊き方もお米とは違い、水は2倍量。麦が一合なら水は二合ですね。そして炊く時間も長め。炊飯器なら「炊き込み」や「玄米炊き」などのモードで炊くと、そのまま食べられる麦ごはんができました。
食感は日本のお米よりやや「固めで、ぽろぽろ」な感じですが、ちゃんとお箸で食べられます。卵かけご飯や納豆ご飯などの混ぜ物をする場合は、慣れたらほとんど気にならなくなりました。
気になるお値段ですが、1キロ400円弱でした。5キロで2000円弱、ちょうど値上がり前のお米くらいの値段ですね。
これは安心感があり、食事のたびに(なんでまたこんなに高くなっちゃったんだ、お米…(-_-;))と思わずにすむだけでだいぶ消化にイイ気がします(笑)。モノを食べる時くらい、安心して楽しみたいですからね…。
栄養価としては水溶性・不溶性ともにとにかく食物繊維が豊富。ビタミンミネラルも白米より豊富。また血糖の上昇が穏やかなので「お昼に食べて午後デスクワークしていても眠くなりにくい」というのが個人的に非常に嬉しい効果です。コレステロール値の正常化にも一役買ってくれるそうです。
ただもちろんデメリットもあり、玄米や胚芽米など固いお米が苦手な方はそもそも食べられないかもしれません。家人はそういうタイプで、麦100%ごはんは消化できないようです。そういう人にはもちろん勧めません。
また食物繊維が白米の何倍というレベルで多いので、よく噛んで食べないとかえって便秘の原因になるかもしれません。水分も意識して多めにとったほうがいいと思います。筆者は自然と水の量が増えました。
こう考えると主食を変えるのはやはり大きな労力を伴う変化であり、体力、消化吸収力、咀嚼力や嚥下の力など様々な「力」を必要とするものですね。もちろんそういった力の弱まった病人、高齢者には難しいことです。
しかしこのまま値上がりが続けばこんどは「経済力」の弱い人から困っていくわけで…。
いろいろな可能性を試すのは余力のあるうちでないとできないことなんですよね。
以前、栄養研修のマンガでこんなことを描きました。


特定の栄養をとるのに特定の食べ物に頼っていては、手に入らなくなったとき手詰まりになってしまいますね。
主食も「お米」だけじゃなく、余力のあるうちいろいろ試してみるのが自己防衛、リスク分散というものかなあと改めて感じた次第です。
(余談)
…この栄養のマンガを描いたときはまさかお米が倍以上に値上がりするとは考えておりませんでした(-_-;)栄養の基礎知識って、こんな時にも役に立つんですね。一生ものの研修だったと思いますw。