その118 ほんとうの「いも餅」
ほんとうの「いも餅」
前回、介護食用のチーズケーキについてお話をいたしました。
https://recruit.enzeru-corp.jp/column/2020/10/15/771
こちら管理栄養士による更なる改良が進められておりまして、完成が楽しみです。
しかしこの頃めっきり寒くなり、気になるのはやはりお正月料理ではないでしょうか。介護職員にとってもっとも危険な「お餅」をはじめ、固い乾物や糖分塩分が多いおせち料理は正直頭痛のタネでもあります(^_^;)。
たとえばお餅はもち米ではなく、ジャガイモに白玉粉や上新粉をまぜた「いも餅」で代用するのが有名ですが…。
先日北海道出身の知人とお話していたところ(その人は介護職ではありません)、「いも餅は本来、ジャガイモだけで作るモノだが…」という情報を聞きました。
私は内心(そんなバカな、ジャガイモだけで餅みたいな食感になるわけがない…)と半信半疑ながら、教わったやり方にて試作してみました。
まずイモに熱を通す(ゆでても蒸してもよいそうです)。
すり鉢で根気よくつぶす。
(本来は本当のお餅と同じように擂り潰しながらぺったんぺったんと搗きこねるのがいい、とのことですが…)
ウチには杵も臼もないので、中華包丁で根気よく叩き、つぶし、また叩き、つぶしと繰り返すと…。
なんということでしょう。餅です。これは完全に餅です!
そのうち包丁にくっつかなくなってきて、触るともちもちプルンの弾力と粘りがあります。これが本来の「いも餅」なのですね…。
(北海道では定番料理だそうです)
ただあまりにも餅すぎてwこれは介護食には危険かも知れません(^_^;)
なのでつぶす工程をミキサーで試してみました。水は入れません。これもビックリしましたね…1分も回さぬうちに、
液体になるではありませんか。しかもこの液体、一口食べてみて下さい。食感はまさしく「煮崩れた餅」です。私はカンドーしてしまいました。
サジが立つほどの粘りです。
ですが手でこねたものよりだいぶ柔らかく、水にほぐれ易いですね。噛まなくても味わっているうちに溶けます。ミキサーのほうが熱ダレを起こすのでしょう。加工しやすい柔らかさなのでこうして
麺の代用にもできます(小さい穴をあけた袋から絞り出したものです)。
これにはトロミ剤や余計なものが一切入っていないので味はまさにお芋そのものですね…いや、驚きました。
(もちろん、個人的に試作しただけでこれを提供するということではありません)
それにしても、世の定番料理のなかにこのような工夫や知恵があるとは、料理というのは果てしないモノですね(^_^;)。
引き続きお芋の可能性について研究してみたい、と思います<(_ _)>。
(追記)
この「いも餅」を教えてくれたのは北海道出身の「SFの天才」一世を風靡したマンガ家M・Y氏です(笑)まったく誰がどんな情報をもっているかわかったものではありません…。