その238 ギックリ腰についての復習  

 急激に涼しくなりましたね!

 今年(2025年)は10年に一度の酷暑と言われた夏でしたが関東地方の残暑はそれほど厳しくなく、10月からは順当に気温が下がってきた印象です。
 11月も後半、寒さ対策は万全でしょうか?

 この時期に怖いものといえば毎年言いますが感染症、そして前回も話題にしておりますギックリ腰ではないでしょうか。

 ギックリ腰に悩む人は男女問わず、また職種も選ばず多いようです。
 「介護といえば腰痛」のイメージも強いですが、厚生労働省の調査によると腰痛リスクの高い職業には医療福祉関係のほか卸売り・小売業、建設業、運輸交通業、そしてデスクワークだそうです。
(…この中に入らない職種ってどんなものなんでしょうか(^^;)…農業や漁業でしょうかね。これだってハードワークな気がしますが。ちなみにいろいろな調査があって結果もまちまちなのですが、平均してみると腰痛リスクワースト1は運送業なようです)

 筆者もこの時期になると、「ああ夏のあいだにすっかりギックリ腰の対策を忘れていた」と思うのです。暖かい間は身体が柔らかく、それほど危険がないためについ身体から習慣が抜けてしまうようですね。
 すこし復習をしたいと思います。

 まず、身体を冷やさないことでしたね! 
 
 特に注意なのが寝るとき。寝起きはただでさえ身体が固まっていて、ギックリ腰リスクが高まっております。そのうえ寝冷えなどしていたら最悪です。筆者のギックリ腰も過去ほとんどが寝起きに発生しております(^^;)。
 寝巻き、寝具はしっかり保温できるものを選ぶこと。急に起き上がらずに、布団の中で手首足首を動かしたりして十分目が覚めてから動くこと。などでしたね。

 つぎに、姿勢のあれこれです。

 拙著『拘縮を予防する介護技術』(中央法規出版)に描いたところを復習すれば、「上体を20度以上傾けた姿勢を長時間とらない」でした。20度というのはかるいお辞儀くらいの姿勢ですから、うっかりするとすぐそれくらいは傾いてしまいます。低い姿勢が必要なときは中腰を避け、腰を曲げずに膝を曲げる、または足を前後左右に開く…でしたね。
 
 具体的には、朝の洗顔です。立ったまま、洗面台に向かって大きく上体を曲げておりませんかね(^^;)。洗面台の前にイスを置いて歯を磨く、洗顔は背筋を伸ばしたまま濡れタオルで行うなどの安全策があります。
 (ちなみにこの本の監修者である当社の理学療法士・田中さんは洗顔も髭剃りもシャワーを浴びながら行うと申しておりました。それなら立ったまま服が濡れる心配もなくできますね。
実際、ギックリ腰の苦しみを思えばそれくらい徹底してもいいのかもしれません。さすがプロですw)

 また流し台での洗い物も、つい上体が前になりがちなポイントです。同じくイスを用意するか、または少し足を広げて上体の位置を低くし、前に傾き過ぎないように気を付ける…でしたね。こういうのは夏には忘れておりました(^^;)。

 座り仕事、デスクワークも同様。
 こまめな休憩、座りっぱなしはしない、前かがみにならない、が重要ポイントでした。
 これらは坐骨神経痛など別の腰の病気にも通じる注意点でして、筆者などは重々気を付けていきたいと思います。

 さらに、ちょっと意外ですが水分でしたね。

 脱水は一年中怖い症状ですが、今時期は涼しくなって油断しがちなのも事実。寒くなれば当然、冷たい水など飲みたくないですしね。

 しかし水分不足は筋肉や椎間板などの結合組織が硬化する、血流の悪化で酸素の供給が減る、老廃物が溜まる、などなど悪いことだらけ。ふだん運動している人でも水分不足になると急に足がつったり、筋肉痛が治りにくかったりなんて覚えがあるんじゃないでしょうか。ギックリ腰も同じようです。
 こまめな水分補給は秋も冬もやっぱりかかせませんね。

 あまり細かく言っているとキリがありませんのでこの辺でまとめましょう。

 身体を温めて、腰を曲げずに膝を曲げ、長時間の同じ姿勢は避け、水分をしっかりとる。

 この冬もギックリ腰ゼロを目指して、筆者も頑張ってまいります!(と、描き終わったところで席を立ち、ちょっと屈伸運動など…w)