その223 お米値上がりの折に…
景気の良くないお話でスミマセンが、お米の値段が下がりませんね。

去年(2024年)の酷暑による米不足は一時期スーパーのお米の棚が空っぽになり、「お一家族様ひと袋まで」の購入制限もなされるほどでした。新米の時期を過ぎていちおう供給量は落ち着いたようですが、いちど上がった値段がなかなか下がってきません。
今年(2025年)1月には、なんと「過去最高の値上がり幅」を記録したそうです。
消費者物価指数で「米類」は前の年の同じ月から64,5%の上昇だとか。
筆者の肌感覚でいうと去年の初夏あたりまではいつも買う5キロのお米がだいたい2000円でした。今は3500円から、悪ければ4000円以上です。正直「これはひどい(-_-;)」とため息をつかざるを得ません。
介護施設では入居者さんから一定の食費を預かります。職員が日々ご本人の希望を聞き、一緒に買い物に行き、一緒に料理をし、栄養バランスなども考えつつやりくりをしております。余裕があれば出前を取ったり、外食に行ったり…。
しかしいちばん基本的な主食の値段が一年で急に5割から9割も上がってしまっては、やりくりといっても限度がありますよね。この辺の悩みはお読みの皆さん、一般家庭の方々となんら変わりはありません(^^;)。実に困ったものです。
政府や農協さんにはぜひ米価の安定を早急に図ってほしいと切望いたしますが、まあそれはそれとして…。
お米の話題に戻りますと、先日筆者が読んだ本の中に「脚気」のお話が出ておりました。
「脚気」は身近に罹患者がいないわりには有名な病気で、ひざ下をコンとたたくあの実験は覚えておられる方が多いと思います。また「江戸患い」などといって白米ばかり食べている都会人がよくなる病気とか、それくらいは覚えておりました。
ただどんな症状なのか、どのくらい危険なのかはよく知りませんでした。
本を読み進めたらこれが驚いたことに、危険度も死者数も大変なことだと知りました。
症状は末梢神経障害、循環器障害に心機能障害という恐ろしいもので、「輾転反側して死に至る」苦しさだったそうです。
「大正のはじめころまで、日本における脚気病患者の数は年間五十万人を超え、死亡者は約一万人を数えたとされている」とあります。(『薬の話』山崎幹夫著・中公新書)現代のインフルエンザより交通事故より、ずっとずっと死者数が多い大病だったのですね!
特に軍艦の乗組員さんに罹患者が多く、若い屈強な軍人までもが脚気で命を落としていたとは大変驚きました。
当時は米ぬかに含まれる「ビタミン」の不足が原因だとは知られておらず、何かの伝染病と考える向きが優勢だったそうです。実際は玄米食やぬか漬けなどの伝統的食事から急に白米食に変化したことが流行の原因だった…のは有名なお話。
そう考えると主食は必ずしも「白米」だったわけではなく、玄米だったり雑穀だったりした時代も大変に長かったわけではありますね。…といって「じゃあ今日から玄米」って訳にもいきませんし、そもそもお米自体が高いわけですが…(^^;)。
筆者はもともと麦ごはんが大好きだったもので、この頃は「押し麦」をお米と半々に炊きよくいただいております。これが800グラム300円弱(5キロ2000円ほど)で、お米より安くなってしまいましたw。
調べてみるとお米より優れた面も多く、特に水溶性食物繊維が大変豊富でした。こんなことも初めて知りましたね。いい機会だから穀類の勉強などしてみようかとは思いますが…。

それはそれとして、お米の値段、早く落ち着いてほしいものですね(-_-;)。偽らざる本音です。