その136  お米は砂糖ではない…ですよね?

去年から書き溜めた「栄養」に関する漫画を、製本して冊子にしようと、いま編集を行っております。コロナで集まって研修などしにくい状況ですから、介護職員さんの栄養知識の一助になれば幸いですm(__)m

ところで、こういう本を描くとなると漫画とはいえ筆者も少しは勉強しないといけません(^_^;)ちゃんと管理栄養士の先生についてもらい、実際に栄養の研修で使われる資料を基にして漫画を作っています。

そして本を描く中で、ひとつ長年の疑問が解けたのでそんなお話を紹介したいと思います。

それは最近(ここ5年くらいでしょうか)よく聞く、糖質オフ・ダイエットについての疑問です。以前もこんな文章を書きましたが

食べ過ぎはもとより悪いのはわかるとして、お米を食べなくてもいいってのはちょっと極端すぎはしないか、とずっと思っておりました。そこでよく目にするのが、こういう図解です。

「ご飯一杯で、こんなに糖質が!」という、アレですね。
確かにこの絵だけ見るとかなりインパクトで、砂糖をザーっと口に入れたらものすごく体に悪そうな気がする(^_^;)。で、なんとなく「ご飯も控えたほうが…」と一瞬思うのですが。

ご飯は、白砂糖じゃないですよね。

冷静になってよく考えれば、お米には糖質のほかにもいろいろ栄養が入っていたはずです。学校の家庭科で習った気がします。そこのところをもう一度、栄養の資料を見てみると…。

お米も一番下に載っております。
(プロテインスコアとは「人間が体内で作れない(食事でとるより他にない)、8種類の必須アミノ酸をどれだけバランスよく含んでいるか」という値。これはひとつでも欠けていると栄養失調になってしまいます。

米は様々な「必須」の栄養素を含んでいる。ご飯=白砂糖理論は、この糖質以外の栄養素をどうしてくれるんだと思いますが…。

ちなみに、お米ももちろん完璧な食品ではありませんで。足りない必須アミノ酸はリジンです。これを多く含むのが豆類。豆類もプロテインスコアの高い食べ物として上記の表にあがっていますが、唯一足りない必須アミノ酸がメチオニンです。で、調べてみたらこのメチオニンを多く含む食品がほかならぬ「米」でした(笑)。

なんのことはない、要するに「ご飯とみそ汁(大豆)」ではありませんか。

ご飯とみそ汁のバランスがこれほど理論的に「ハマっている」なら使わない手はないと思いますが(^_^;)作るのも簡単、どこでも売っていて安い、保存も効く、余計な脂肪分がない、肉より消化がラク…などなど様々なメリットもあることですし。糖分だってどうせ必要量は摂るのだからご飯を適量食べればいい話では…。

いかなる健康法でも「必要な栄養」は取らないといけません。さもないと栄養失調、肝臓が弱って代謝が落ち、不健康+太りやすくなる(これくらいは学校で習った知識で十分わかります)。
ご飯を使わず必要な栄養をそろえるのは難しいし、かえって高くつくと思われますが、いかがでしょう。あ、もちろん毎食どんぶりご飯食べてたら別ですが…(笑)。

栄養の勉強がオモシロイのは、こういう「いま流行ってるみたいだけど、実際どうなの?」なことがわかるトコロですね。
必須アミノ酸がわかればリンゴやバナナダイエットなどの単品モノはおかしいとわかるし(卵とシジミならわかりますが、こんどは糖分が足りないでしょうw)やたらと水を飲む健康法、数日間まったく食べない健康法(^_^;)などもおかしい(極端すぎる)とわかります。

トンデモ理論を横目に見ながら、楽しく学んでいければと思います(‘ω’)