その202 スマホとお財布なしで…あと頼れるものは?

前々回、ご近所付き合いについてお話しましたが。それに近い話題でもうひとつ…。

 先日こんなことがありました。

 筆者が朝、ゴミ出しのついでに庭の掃除をしておりますと、家人がパートに出かけていきました。朝の9時前のことです。それから30分ほど雑草取りなどして、ふういい汗かいた、手を洗おうと玄関のドアを引きますとですね…。

 開かないんです、これが(笑)。

 どうやら家人が出勤の際、いつものクセで玄関を施錠していったらしい。庭掃除をしている筆者とも挨拶は交わしたのですがこれはもう習慣ですね。
 こちらはもちろん、朝のゴミ出しついでにやっていたことですから家の鍵などもっておりません。

 …さあ困った。

 全身、泥だらけのジャージです。
 家人に鍵を持って帰ってもらおうにもスマホは家の中。
 ホームセンターの鍵屋さんに頼むという手もありますが、現金も持っていません。それに自転車の鍵も家の中です。
 数十分かけてホームセンターまで歩いて行ったとしても、さて自分がこの家の主であることをどうやって証明したらいいのでしょうか(^^;)?…身分証明書ももちろん家の中です。鍵屋さんだって身元不明な人間の頼みでうっかり鍵をあけたりできないでしょうしね。

 うちは猫をかっているもので窓はすべて2重ロックになっております。これは防犯も兼ねており、破砕せぬ限り外からは開きませんw…我ながらまったく手も足も出ないなあと苦笑いしてしまいました。

 しかしこのまま手をこまねいているわけにも行かず。仕事だってあるし、そのうちお腹だって減るし、だいたいトイレはどうしたらいいのでしょうw。
 近所のコンビニで借りるにも全くお金を持っていない状態で、そこまで図々しくなれません。

 これは本格的に困ったことになったなあ…と座り込んでいると、今はあまり使っていない古い自転車が目に留まりました。これは鍵が番号のタイプで、幸いまだ覚えています。
 
 「この自転車で、ヨメさんの仕事場までいくしかない」と決めました。

 …さてここでお読みの皆様にお聞きしたいのですが、ご家族の勤務先の正確な場所って、わかりますか?これ、だいたいの場所(最寄り駅、バス停など)はわかっても、ハッキリ細かい場所まではわからない場合が多いんじゃないかと思います(家の中に入れれば何かしらの書類にかいてあるでしょうが…)。

 当方の場合もこれで、だいたいしかわかりませんでしたが、とにかくその「だいたい」の場所まで行ってみました。

 家人のパート先はMという工場ですが、その地域は工場や倉庫が多く看板を見てもなかなか見当たりません。仕方ないのでもうその近辺の工場関係者らしき人たちに声をかけて聞いてみました。すると
 「その工場はしらないけど、すぐ裏に交番があるよ」
 と教えてくれたではないですか。…なんだかロールプレイングゲームみたいになってきましたがw、そのまま交番に行き、おまわりさんと一緒に地図を調べ、ようやく見つけました!交番からやや入り組んだ場所ですが地図を見ながら行けば大丈夫そうです。

 …で、この地図をどう保存したらいいのでしょうか(笑)。

 交番にはコピー機もないし。何度も言いますがスマホもデジカメも持ってません。もう恥を忍んで当方「すみませんが紙と鉛筆をいただけますか」と頼み、その場で手で書き写した次第です(^^;)。工場を訪ねると受付の女性職員さんが「初対面で泥だらけのジャージな中年男性(筆者のこと)」にかなり驚いた顔をされていて、まったく恐縮至極でありました…。
 
 と、上記のような長々とした工程を経てようやく家人から鍵を受け取れたのですが。考えてみたらこれでも運が良かったほうですよね。

 これ、雨の日、冬の寒い日、真夏日だったらどうなっていたでしょう?半日休める場所がないのはかなり危険です。また家人の勤め先が自転車では無理な距離だったら?完全に手詰まりでした。

 というわけでその日のうちに「キーボックス」を購入し、家の外に設置した次第ですが…。

 しかし自分がいかにふだん、スマホと現金に社会生活を依存しているかを痛感いたしました。コレがなくなると家の鍵すら開けられないんですねえ…現代人の弱点とでもいいましょうか。

 その状況で頼りになるのは自分の頭と足と、なにより工事関係者のおじさん・交番のおまわりさんの協力でした。結局、さいごは人なんですね。
 非常に何か、考えさせられる失敗でありました(^^;)…。

(余談)

 子供の頃だったら、鍵が開かなかったらすぐ友達のうちに行ったでしょうね(笑)。トイレも心配ないし、麦茶でも頂いてファミコンでもしてれば夕方まで優雅に過ごせるし。友達がもし留守でもそのお母さんとも知合いですし…。

 だいたい筆者の実家は群馬の片田舎で、日中は家に鍵なんかかかってませんでした(^^;)。それはそれでご近所に甘えすぎではありますがw…。

 現代、大人のご近所づきあいにこういう濃さはなかなかないですよね。