その214 少し前まで100円ショップにはなかったもの

 必要があって探して、無いな、買ってこなきゃというときに「そういえばアレはどこで売ってるんだろう?」って困るもの…たまにありますよね。

 たいしたものじゃないんですが。

 たとえば筆者はこの前「すりこぎ」が見当たらず買おうと思って、どこで売っているのか迷いましたw。 似たようなものですが料理で粉の生地を伸ばす「めん棒」もそうでした。「ちりとり」とか、「竹の熊手」とかもそうですね。こういうのは普段よく行くスーパー、コンビニ、ドラッグストアでは売っていません。

 うーん、じゃあホームセンターかなと思って行ってみると意外になかったり、あっても本格的過ぎたり、けっこう高くて驚いたりします(^^;)。いやもっと、手軽なのないかなあ…とまた困りますねw。
 
 そんな時とりあえず行くのは「100円ショップ」ではないでしょうか?
 
 ここ20年ほどで、どこに売っているかよくわからないものはとりあえず100円ショップで探すというのがすっかり定着したような気がします。なければホームセンターか専門店か、あきらめてネット注文…という感じで。

 むかしは、街の中にいろんなこまごましたお店がもっとあったような気がするんですがね。

 余談ですが当社の本社がある東京の荒川区やその隣の台東区などへ行くと、意外なことにそういった細かいお店が都会の中にけっこう残っております。数は少ないですが「荒物屋さん」「履物屋さん」(靴屋とはまた別)なんてのも見かけます。荒物なんて最近ほんとに聞かなくなりましたがw…上記のすりこぎ、めん棒、ちりとり、くまでなどは昔でいう荒物ですね。 

 さて話を戻して。今はそういう細かい生活雑貨は100円ショップが担っているようです。

 また今まで100円ショップで見なかった商品が並びだすと「へえ、今これが流行ってるのか」と分かって面白い。世相を反映していますよね。

 数年前からキャンプ用品は目に見えて充実していますし、文房具では去年からガラスペンやカラーインクなどが置かれて驚きました。ガラスペンなんて今まで文具専門店でもあまり見かけませんでしたが、実に流行に敏感だなと感心してしまいます。

 そのぶん、商品の回転も早いようですが。 

 そんな100円ショップで先日すこし気を付けて棚を見ておりましたら、パッケージに「介護」と書かれた商品が増えたなあ!と驚きました。

 5年前、10年前はこれ100円ショップにはなかったぞ、という商品がいっぱいです。たとえば…

 こういうところです。
 
 この中で10年前にも100円ショップにあったのはたぶん「入れ歯ケース」だけじゃないでしょうか。

 身体が不自由な人にも飲みやすいコップ、スプーンなどは明らかにありませんでした。またビニール手袋も清掃用、作業用と書いてあっても「介助に」という文言はありませんでした。「紙おむつの圧縮袋」などという限定的、専門的な商品も少し前まではありませんでした。

 特に驚いたのが薬関係のグッズです。

 曜日、朝昼晩と分けて保存し飲み忘れを防ぐ薬ケース。大き目の100円ショップだと「お薬カレンダー」も売っていましたが、こういうものが一般的になったんですね!
 我が家では家人が日常的に薬を飲んでいるのですが、2年前カレンダータイプの薬入れを買おうと思って近所で見つからずネット注文していました。いやあどんどん変わっているんだなと驚きです。

 またこれもすごいと思いましたが「ピルカッターケース」。当方恥ずかしながらこういう商品があることを先日初めて知りました。

 お薬を半分に割る、専用の道具です。

 薬の効果が強くて少しづつ使いたい場合など、医師の指示のもと割って服用することはありますが…それ専用の道具があるんですね。いやあるどころか、100円ショップに並ぶほどメジャーなものだったとは…。

 そういえば動物の話で恐縮ですが、筆者は去年、飼い猫のペット病院で薬が強いなら半分にしなさいと指示を受けたことがあります。「薬を割る」のを病院に頼むと技術料がかかるんです(500円程度)。確かにあの固い小さい薬をキレイに割るのは難しい。
 …しかし去年にこの器具の存在を知っていたら、間違いなく買っていましたね。

 またもう一つ驚いたのが「お薬ぱっちん」。錠剤をあの銀色のカプセルシートから押し出す道具ですね。こんなものがあり、すでに100円ショップ級にメジャー商品であるとは!
 確かに介護施設でも、薬を自分で出せないという方は多いです。固いんですよねけっこう、あのシート(^^;)。そうかそうか自宅でご自身で薬が飲める人でも、別に握力は同じでしょうからね…。

 こうした商品が身近に並ぶのは単に高齢化の影響か、介護用品の需要・マーケットが拡大しているのか、いろいろ要因はあるのでしょうが。
 お若い方、健康な方も期せずして「お、なんだこれ」と目に入る機会が増えてとてもいいことなんじゃないかなあと個人的には思います。

 以降も100円ショップでの「介護用品ウオッチング」興味を持ってみていこうと思っております。