その55 むかし「3K」いま「ブラック」

もうすぐ4月、入学、就職、新生活の季節です。
…3年ほど前ですが、こんなことがありました。

「あ、やっぱりなんとなく、介護のイメージってそっちなんですね(苦笑)」と思った次第です。

確かに一昔前「介護は3K(キケン、キツイ、キタナイ…)」などと言われていました。最近、この3Kって言葉はあまり言わなくなりましたね。

代わりによく聞くのが「ブラック企業」という言葉です。
似たように使われますが、後者ブラック企業は「労働基準法違反」の犯罪。

近年、悪質企業は厚生労働省により「ブラック企業認定」され名前を公表されています(※弁護士やジャーナリストが選ぶ「ブラック企業大賞」とは別物です)。

驚いたことに、このブラックリストには「えっ!あの会社が?」というような有名企業も含まれています。

もと国営、民営化された巨大企業もかつて含まれていました。にわかに信じがたいものがありますね。

曰く「サービス残業200時間」曰く「無給で休日出勤」曰く「うつ病、過労死」…ブラック企業関連のニュースには目を覆いたくなります。
200時間ってひとことで言いますが、毎日10時間残業(正規の就業時間より長い)しても20日かかる時間です。そんなことしたら死にます、間違いなく。
お国にはもっと厳しく取り締まってほしいと思いますが…。

さてこの点で言えば、原理的に介護は「ブラック企業」にはなりえません。

介護職員が働いた時間は自治体に毎月ガッチリ報告されます。一般企業のブラックは内部告発でもないとなかなか問題になりませんが…

介護事業所の人員配置、働いた時間は毎月ツツヌケなわけですw。おかしな事業所には是正勧告、聞かなければ「お取つぶし」。

国の保険事業ですからこの点キビシイです、ゴマカシはできません。
興味のある方、厚生労働省のブラック企業認定リストに介護事業所があるか見てみてください。

自分の経験から。
グループホームに勤めていた3年間、大体ひと月20~22日、160~176時間ほど働いてました。「イベントがあるから」「人が足りないから」残業したこともありますが、多い月で10~14時間ほど。休日出勤や公休が減ることは…まあ、年に10日あったか?くらい。念のため言いますが残業代、休日手当てはもらってます。当たり前だw。

介護は確かに大もうけする仕事じゃないし、人手不足の折、残業もあるでしょう。が、時間も給料もあくまで「法律の範囲内」です。その点は断言できます。

なぜといって、毎月、役所への「請求資料」をまとめる管理者さんたちの後姿を何度もみていますので…(笑・あの資料制作は実に厳密でメンドウクサイものらしいですよ)。

新介護職員の皆さん、ご安心ください。

(追記)
しかしあの「サービス残業」って言葉ほどイヤなものはありませんね…要は「タダ働き」でしょう。古代ローマの奴隷だって一日19時間も働きませんよ(見てきたわけじゃありませんがw)。

逆に私は「残業申請しろ」とたしなめられたことはあります↓。こういう職場です。


上記のマンガコラムを掲載した記事はこちら