その10 野に「偉丈夫」あり
今月はじめ、水泳の北島康介選手(現在33歳)が引退を発表し、話題となりました。一時期「絶対王者」と無敵を誇った北島選手にも、当然ですが年齢は重なっていくのですね。
北島選手の実家はお肉屋さんであることは有名ですが、筆者は近所に住んでいたため何度かメンチカツを購入しました(美味でありました)。同年代で身近に感じていたので、若干のショックを受けました。
「世界王者ですら、体は衰えていくんだなあ。どんな人でも、いずれは弱り、介護が必要になっていくのか・・・」と、つい単純に結び付けて考えてしまいました。
が、本日まったく逆の例を目の当たりに見てきました。
区のスポーツ施設に行きバーベルを上げていたら、「お兄ちゃん!そんなんじゃ軽すぎない?」と声をかけられ、見れば全身小麦色のオジサン。先ほどまで私が両手で上げていたバーベルを片手でブンブン振り回しています。失礼ながらお年を伺うと、「松坂(野球の松坂大輔投手)の2倍!」というお答え。すると72歳です。スポーツ好きで週2回鍛えているとのことでした。
平日の昼間とあって、よく見れば利用者はほとんどが高齢者です。が、走る、跳ぶ、持ち上げる、どうも半分くらいの方は私より強そうに見えます…。
当然ですが体は鍛えると強くなります。しかし中年を過ぎる頃から、なんとなく「これからは落ちる一方…」というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。72歳になったとき今より強い自分であるなどとは、なかなか想像できません。
確かに絶対王者キタジマ選手は今より強くなることはないでしょう。が、運動不足の現代人なら、今(が何歳であれ)から強くなることは十分可能です(笑)。
あきらかに私より健康な72歳を見て、つくづく感じさせられました。
平均寿命が80を越えた現代、問題は健康寿命といわれます。考えてみれば人生は中年になってからのほうが長い。40、50で「もう年だから」と言っていたら人生の半分を老け込んで生きることになるんですね(苦笑)。
介護職員として、あのおじいさんより弱いのは悔しいので…負けずに鍛えたいと思いますが、先は長そうです。