その206 時計のない生活?

私事ですが先日、自宅キッチンの壁掛け時計が壊れてしまいました。

 どうも時刻がくるってるな?と手に取ってみると、なにやら動作音がおかしいのです。どうやら内部の振り子に異常があるようでした。そのまま数分見つめておりましたら、カッチ…という小さな音を最後に息を引き取りました(^^;)。

 その時計はもう20年近く前に980円で買ったもので、いやあよく持ったなあと思います。時計が自然に寿命で壊れるところを見たのは初めてでしたね(笑)。地震や引っ越しでガラスが割れた、なんてのは何度かありますが…。

 まあスマホもあるし、炊飯器やらなにやらの家電にも時計はついているしで急いで買い替えなくてもいいか…と思っておりましたら。これがですね。

 一日何度も「以前時計がかかっていた壁」を見上げてしまうのですね!そしてむなしく壁に刺さった「時計を引っ掛けておくための金具」を見つめることになりますw。

 目が空を切るたびに「あっ…」と思います。朝や出かける前ならともかく、自分がこんなに一日中「なんとなく時計を見ていた」とは知りませんでした。別に用がなくても、差し迫った予定がなくても、見てるんですね。時計がある時は気づかず、なくなってから見ていたことに気づくというのもおかしな話ですが。

 そういえば、筆者が勤めたグループホームでは日々「決まった時間」になされる行事というものはありませんで、食事も外出も入居者さんのタイミングにできるだけ合わせられるよう支援しておりました。
 まあ、毎日のことですからなんとなく「だいたい」これくらい、という時間はありますが。日によってだいぶバラつきがありましたね。
 なので仕事中、あんまり時計を見た覚えがありません。…受診で外出予定とか、訪問看護師さんが来てくれるときくらいですかね、ちゃんと時間を気にしたのは。

 介護施設によっては朝ごはんは〇時、レクリエーションは〇時から〇時…等々、日々のスケジュールが時間で決まっているところもあるそうです。
 どちらにも相応の利点があるのでしょうが、もし自分が入居者さんの立場であったらこう、あまり時間に急かされるのはちょっと堅苦しいですね…(^^;)。いや職員さんの気分としても(あの時間までにアレを終わらせなければ)となったら忙しい気分になりそうな…何か「支援」なんだか「ノルマ」なんだかよくわからなくなりそうで。 
 
 ただ職員としても仕事ですので(笑)日勤は9時から18時、遅番は11時から20時と決まっております。引継ぎ(申し送り)も必要ですし、ああそろそろ交代の時間だな…と思うと施設の時計を見たものでした。
 今思い出すと施設の時計、針がいつも「11時」「6時」近辺だったような…(昼の11時と夕方6時に日勤と夜勤が交代するので、よくその時間の時計をみていたのですねw)

 時計を、時間を基準に動くのは社会人の常ではありますが。時間以外のさまざまな要素…入居者さんの体調であるとか、気分であるとか、その日の天気であるとか、そういう多くのものを感じ取って一日を過ごすというのも悪くなかったなあとしみじみ思い出しました。
 逆に言えば人間の社会人というのはだいぶその他の要素を無理していますよね(^^;)。暑くても疲れても一年中9時5時で働いてますし…。

 先日の明け方、自室から1階キッチンに降りると我が家の飼い猫2匹が「ゴハンをだせ」と鳴き始めました。時計もスマホもなく炊飯器を見るとwまだ朝の4時。「ちょっと早くないか?」と言いましたが、しかしその「数字」は猫の空腹より大事なことでしょうか?早いとか遅いとか、基準は「お腹が空いたかどうか」がホントではないでしょうか…少なくとも猫にとってはちっとも大事な数字ではないでしょうが…なんとなく考えてしまい、その日はサービスで早めにだしてやりました。 

 その週末にはさっそくまた1100円のシンプル掛け時計を買ってきました(笑)が、今度は何年持つことやら。
 …ただもう少し「キッチンに時計のない生活」をしてみても良かったかもなあ、などと思いました。