その132 「昔の〇〇は美味しかった」は本当?
新型コロナウイルスに対するワクチンの接種が高齢者から始まっております。またぞろ順番に関する稚拙な問題も起きておりますが(^_^;)これで少しでも鎮静してほしいと願わずにはおれません。
しかしこう連日コロナコロナでは気疲れですので、今回はもっと肩の力の抜けたお話を申したいと思いますw
梅雨時になって、介護施設では特に食べ物の保管に気を使う季節です。今年も筆者の糠床は大活躍しそうですが…(糠床初チャレンジの記事はこちら)
一応、介護職員としては「ちょっと昔(入居者さんが子供のころ)の一般的な食べ物」には興味のあるところ。「昔の〇〇は美味しかった」と言われれば、なおさらです(笑)手作り糠漬けなどはまさにそのひとつですね。
この糠床、テキトウに作った割には特に問題もなく、糠を継ぎ足し継ぎ足しもう一年になります。ズボラな当方がこんなに糠漬け作りを継続できたのは自分でも意外でしたが、これは自分がエラいのではなくw糠漬けが
・思ったより簡単だった
・思ったより美味しかった
からですね。
始める前は「毎日かき回すなんて、面倒だ」「糠床のニオイがキツイのではないか」「たくさん作っても飽きたらムダになる」等々、不安もたくさんありましたが。これらは現代の情報過多、完璧主義の弊害(笑)であって、実際はかなりテキトウにやって何も問題はありませんでした。2,3日かき回すのを忘れても腐らないし、匂いは密閉容器ならほとんど漏れません。保存期間が長いから飽きても大丈夫…そもそもくどい味付けのない糠漬けは、飽きが来にくい食べ物でした。
よくよく考えてみれば昔の忙しいお母さんが各家庭で作っていたのが糠漬けで、そんな恐ろしく手間のかかる料理であるはずはないですね(^_^;)。
この「思ったより簡単でおいしい」傾向は、一昔前までは各家庭で当たり前だった食べ物に共通する特徴のように感じております。
たとえば、先日煮豆が食べたくなってスーパーに行きました。で、大豆を探すとないのですね。店員さんに聞くと、お総菜コーナー、真空パックのコーナー、缶詰のコーナーと一回りして(^_^;)「生の大豆はないですか?」には「置いてないですねー」とのお答え。
外国の食料品店まで行って中国産をやっと見つけました(400g250円の大変お安いモノ)。
確かに一晩水に漬けて数十分煮るのは手間ですが、面倒なら炊飯器で炊いてもいいので。これがホクホクと甘くまるで小さいお芋のよう。水っぽい真空パックや缶詰の大豆とは比較にならない美味しさなのです。
…煮豆を自分で作ると美味しいことは、施設のお婆ちゃんから教わりました(笑)。
ラッキョウの漬物もそうです。
あれも市販パックのは甘さがきつすぎてどうも美味しくない。施設の近所の八百屋さんで聞いてみたら、自分で簡単に作れるというのでやってみました。皮をむいて塩を振って1週間。後お酢につけて一週間。確かに時間はかかりますが、手間はそれほどでもないです。
できあがりには当然甘さはなく、さわやかな美味しさ。どうして市販品はあんなにお砂糖がキツイのでしょうか?
ほか味噌、醤油なども手作りモノを買った方が断然美味しい。少々値が張りますが、消費量からすると1か月300円くらいの違いです。毎日の味が底上げされるのでお買い得だと感じます。
どうもやはり、総じて「昔の〇〇は美味しかった」はホントのようだと思えてきます(._.)。
といってこれは現代のモノが悪いというより、単純に
・安価な加工品の方が売れる傾向(忙しい)
・加工品には保存料が必要(しょっぱ過ぎる、甘すぎる、味が変わる)
という理由によるものでしょう。
つまりこれは「昔と今」の比較ではなく手作りと加工品、もっといえば
「出来立てと作り置き」
の違いではないでしょうか。
これなら出来立てのほうが美味しいのは明白です。
ただ作り置きにも時短や持ち歩きのメリットはあるので、これも必要なものではあります。(昔の人は何でも手作りしてエライ、みたいな風潮がありますが、加工品があんまり売ってなかったからですよね…(^_^;)
忙しい現代…が、外出自粛で「ややヒマのある現代」になったいま。ひと手間かけて安くできたてを味わうのはなかなか贅沢な時間の使い方ではないかと思いました<(_ _)>
(余談)
納豆・豆腐など加工品が普及しすぎて、いちばん基本的な「大豆」そのもののバラエティにいまさら気が付きました…(^_^;)