その213 レシートのお話

 もうすっかりおなじみになった機械レジ。セルフレジ、カゴの中を自動で読み取る無人レジ、有人レジと精算機の複合タイプなど色々ありますがどのタイプにもだいぶ慣れてまいりました。
 
 導入から数年。慣れてくると、同じレジ機械と言っても各お店で実は結構いろいろ違うんだな…ということにも気づいてきますね。
 大体の流れは一緒です。機械でも有人でもセルフでも、まずは商品の値段を合計する。次に精算機に代金を入れる。お釣りとレシートが出る…なのですが。
 
 その中でたまに、レシートだけがお釣りより先に出てくるものがあります(某大手コンビニチェーンなど)。筆者はどうもこれに妙な違和感を感じてなりません(^_^;)いやお釣りもすぐ(数秒後)に出てくるのですが、金銭の授受が終わってから出すのが順番じゃないかなと…。

 あと、前の人が取り忘れたレシートがくっついてくることもありますね。これも気になります。いや捨てればいいだけなんですが、「レシート」ってそんな扱いしていいものかなあと…。
 
 レシートとは英語で領収書のこと。領収書は大事です(笑)。これはどんな仕事をしていようと社会人なら誰でも知っていること、常識ですね。

 領収書は単に「お金を受け取ったよ」というだけでなく、その取引がしっかりなされたこと、お金をいつ何にどう使ったかの証明でもあります。

 筆者はむかし新聞奨学生をしていましたが、その業務に「集金」がありました。購読者のお宅を訪問し、お金を受け取り、お釣りと領収書を渡すのですがその領収書が半券になっているんですね。残った半分は受け取った新聞代とともに販売店の経理に渡すわけです。これで誰からいくら、いつ受け取ったかがわかる仕組みになっていました。
 あるときその領収書の半券をうっかり無くしてしまい、大変叱られました。販売店の店長に「領収書の半券と一緒じゃなければ集金したとは言えない、それは不明金だ」と教わったことをよく覚えております。まだ学生でしたから、領収書の偉さ怖さを初めて知った経験でした。
 
 いやそれは仕事だからで、日常の買い物レシートとは別でしょうという声もありましょうが…。

 これがまた、介護職員はその日常のレシートに実に厳しい仕事なんです(笑)。

 何しろ食料品でも日用品でも、買い物は全て利用者さんから預かったお金ですから取り忘れていい、捨てていいレシートは一枚もないんですね。日常の買い物でそこだけはピリピリしているわけですw。万が一取り忘れたら買い物したお店に電話で確認したり、なにかと迷惑もかけてしまいますし…。

 毎日毎日、日勤と夜勤が交代する時にサイフの中身を全部さらってレシートと収支が合うかを確かめています。 …合わなかった場合は?まあ、合うまで帰れませんよね(^^;)それは仕方ない、他人様のお金ですから。  数え間違えたんじゃないか、バッグの中に小銭でも落ちてないか、その中でいちばん多いのはやはりレシートの紛失、貰い忘れでした。   そんなわけで筆者はレシートがあんまり粗末にされていると仕事以外でも何かキニナルようになってしまいました(^^;)。

(※介護職員の金銭管理については以前、中央法規出版社のサイト「けあサポ」にも書いたことがあります。
https://www.caresapo.jp/senmon/manga-kaigo-keyword/20489)

 逆に、中には気の利いた機械もあります。お釣りを先に出すのは当然としてそれがトレイに残っているとレシートを出さない(赤ランプが点灯してお金が残っていると教えてくれる)タイプもありますね。感心します。さらにレシートもちぎって持っていかないとランプがつくものも。

 まあ、日常でいちいちレシートを取っておく人の方は少数派なのはわかりますが。一応、受け取る。いらないなら自分で処分する。 または「レシートはいりません」とちゃんと自分で言って、処分を店員さんに任せる。少し前まではそれが当たり前だったわけですけど…。

 そういう「建前」は失いたくないなと思いますね。
 機械が言ってくれないだけで、レシート・領収書の重要さが変わったわけじゃないんですから…。

(余談)
 先日、有人レジの「ファッションセンター し〇むら」でタオルを買いましたらレシートは要りますか?と聞かれました。要りません、と答えたら返品交換の際に必要ですが、大丈夫ですか?と確認してくれました。大丈夫ですと答えました。
 タオル一本、返品も交換もまずしないと店員さんもわかっておられるでしょうが…でもやはり確認はムダではない、むしろ気持ちのいいことだなと感じます(‘ω’)。