その58 病気の知名度
今年三月・四月の花粉はひどかったそうですね。
私自身は花粉症ではないのでよくわからなかったのですが、花粉症の家族知人に言わせるとそうだったようです。
なんでも例年の5倍量が飛んだとかで、30代、40代の大人が興奮して「今年は、ヤバい!」と若者言葉になっておりました。
花粉症の苦しさを軽視するつもりはゴウもありません(全くないという強い表現)が、そこは鈍感な身、「よくわからないけど毎年『今年はひどい』みたいだなあ…」とも思ってしまい…(失礼)。
それにしても、花粉症は当たり前の病気になりましたね。
お若い方はご存じないかもしれませんが、私が小学生のころ(30年ほど前)には、花粉症はそれほど「有名」な病気ではありませんでした。くしゃみ、鼻水、目のかゆみを訴える子があっても「カゼじゃないの」「寝不足でしょ」なんていう親や先生がけっこう普通にいました(ホントです)。目が赤いのは「ゲームのしすぎ」なんてヒドイことを言われたものです(苦笑)。今考えると、症状以上に「理解してもらえない」苦しみは大きかったのではないでしょうか。
同様のことが「うつ病」にも言えて、昔は「怠け癖がでたな」とか「気合が足りないんだ」なんてことを言う人が普通にいました(しつこいですが、ホントですよ)。今では「うつは病気。心療内科に」「周りはヘタに励ましたりせず見守る」など常識ですが、全く逆の対応をされて悪化した人は多いと思われます。わが知人にもひとり居ました。
昨今は「依存症」が病気であるという認識が広がってきましたね。タバコ、お酒などの薬物だけでなく、ギャンブル、ゲーム、恋愛、その他「それは本人の問題じゃないの?」と言われていたことまで、治療の対象になってきました。報酬系という脳の働きから「自分ではやめられない」「趣味嗜好の問題ではない」とわかってきたそうです。
それぞれ大変いいことだと思いますし、「いい時代に生まれたなあ」と感じます。
介護でも、「認知症」はホントによく知られるようになりましたね。日常会話で使っても全く問題ありません。
また「認知症は病気からくる症状」「家族だけでなく専門家の助力が必要」なる認識も大いに広まっているようです。
「家族の面倒は家族が見るべき」「住む家があるのに、施設にいれるなんて」という思いは、当事者の人情としては残っておりますが、それもだんだんと薄れてきているようです。
介護の負担を軽くする選択肢がもっともっと知られるようになればいいと思っております。
花粉症、うつ病、依存症などの例を見ていると「周りが正しく知っててくれるのは心強い」ことだなとつくづく感じます。
(追記)
それにしても毎年「今年の花粉は例年の〇倍…」と聞くような気がしますが、荒川土手のシロツメクサもドクダミもヒメジョオンも一向に増えませんw
花粉が5倍も飛んだらいくらなんでも目に見えて花が増えると思うのですが。誰か詳しい方、ご教授願います。