その63 栄養士部会・3
毎度おなじみ、栄養士部会の取材3回目です。
今回は前回よりさらに完成度を高めたいおでんとハンバーグを2種類のゲル化剤にて作り分けます。新しいところでは海苔の代わりに「大豆シート」(海苔より歯切れがよく、安全)なるものを使った海苔巻きを試してみます。お米は、専用の栄養剤を混ぜ込んでタンパク質とカロリーを倍加させてみました。
食べ物のやわらかさについてですが、当部会では『嚥下ピラミッド』でいう3か4、「舌で押しつぶせる」「歯茎ですりつぶせる」くらいを目安としております。つまりは「歯がなくても食べられるかどうか」です。
試食の際も歯を使わずに試していますが、これがなかなかムズカシイもので、やはり人間モノを食べるときは歯を使うようにできているのだなと痛感いたします。
では工程と出来上がりをまずごらんいただきます。
おでんとハンバーグ。
ううん…片方、明らかに失敗しておりますねw。こちらは今回新しく試した「温めても使えるゲル化剤」にて制作したものです。形が崩れてしまっています。やわらかすぎ、「2か2のJ」だそうです。
この製品は正直、工程に手間が多く時間がかかりました。初めて使用したもので説明書のとおりキッチリできたかどうかも心配が残ります。
といって、この製品が悪いわけではありません。「時間がかかり人数も必要」な製品だと判れば良いので、失敗も研究のウチなのでありますw。
利用者さんの食事で失敗はできませんからね。
次、大豆シートの海苔巻き。
色とりどりの大豆シート。
これ、スーパーで市販していたら私は買います。普通に使える美味しさです。
確かに海苔よりも歯切れがよく、くっついたり張り付いたりはありません。プチっとした歯ごたえは妙に後引く独特の食感。湯葉を薄く乾かしたらこんな感じかなあ…というような。
栄養強化したご飯ですが、たぶん言われないと全く気がつきません。よく見ると少々黄色くなってるかな?くらいです。味も食感も変わりなし。カロリーが倍加しているのにほとんど見た目がかわらないってスゴイですね。
年上の栄養士さんが若い栄養士さんにしきりにコレを勧めていました。「若いんだから!カロリー摂って!」…自身のカロリーオーバーを自制されたのでしょう、職業意識の高いことです(^^)。
失敗、成功とりまぜて今回も面白い内容でした。
次回は麺類に挑戦。ソフト麺(給食のアレじゃないですよ)がメインです。また食品を漬け込んでやわらかくする「トレハロース」も登場します。名前は聞いたことがありますが、どれだけ効果があるんでしょうか?
さてどうなることやら、今から楽しみです。
(追記)
余談です。
情熱を感じましたw。
確かに、正確に計量しているのですから、執念深くもなろうというものですね。