その154 今もちゃんとある野草

すっかり春、というより初夏の陽気になってまいりました。今年は冬から寒さが長引いたような印象ですが、暑い方も景気が良く、どうも気温の乱高下が厳しいような気がします。

初夏の脱水にはくれぐれもご注意ですね!

さてその脱水予防ですが、我が家では毎年「ヨモギ茶」を愛用しております。あ、決して何かの宣伝ではありません(笑)なぜなら、このヨモギは自分で河原で摘んできたものなので…💦

この「ヨモギ茶」の作り方は、グループホームで入居者のAさんから教わりました。

ある年の春、会話の中でAさんが「ヨモギ摘みに行きたいわ」と仰ったのです。ヨモギというのは名前は知っていましたが、どう食べるモノか知らなかった筆者はその時いろいろお聞きしました。
有名なのは草餅。茹でてお浸しもいいけど固いから注意。天ぷらにするとほろ苦くて美味しい。干して煮出すとお茶になる…等々、Aさんに詳しく教わった覚えがあります。

ぜひ実地に野草摘みからご一緒したいところでしたが…残念ながら介護施設であるグループホームでは河原で拾ってきた野草を食卓に出すのはなかなか難しいかもしれません(^^;)そこで休みを使って、当方ひとりでヨモギ摘みに行ってみました。

以来、春には毎年野草摘みを楽しんでおります。すっかり自分の趣味になってしまいました(笑)。

現代では、野草を摘むのはあまり一般的ではないようです。筆者もあまり経験がなく、食べられる野草なんて年配の方の思い出話、環境のよかった時代だけのことだと思い込んでおりました。

が、それは全くの誤解で。今でも様々な野草がちょっと探せばそこいらじゅうに生えているのですね(笑)。だいたい環境だって、公害問題が叫ばれた昭和後期より今のほうが良くなっていますし…。

筆者が今年摘んだものを列挙しますと、

・3月には「つくし」
・4月に「ヨモギ」「スギナ」
・4月半ばから「ドクダミ」
…などです。

全て街中にも普通に生えているものです。一応衛生面を考えて、採取は河原で致しましたがw。
上記4つは形も香りも特徴のあるもので、当方のような初心者も間違えず採れました。スギナだけは少しマイナーでしょうか?スギナはつくしの大きくなったもので、「つくし誰の子スギナの子」と言われます。当然同じ場所に生えているので、知っていれば間違えません。

問題のヨモギ茶は、ヨモギの葉っぱを摘んできて網で干し、水分が抜けたらもみほぐしてお茶っぱのようにして、お湯で煮だすだけです。自分で飲むので市販品のようにキレイに筋とりしたりはしません。それにしてもヨモギというのは繊維が強く、干しても葉脈が糸くずのように残ります。お浸しなどは根気よく包丁で切らないと大変硬いですね。すごいものです。
ただ天ぷらは絶品で、不思議と硬さが残りません。よく駅のお蕎麦屋さんにある「春菊天」のようにさわやかな苦みがあります。野草・山菜好きのみならず、若者にもウケそうな味です。

…などなど、味だけでなく、採ってくる過程、料理の悩みなど「ヨモギ摘み」全体を追体験することができました。これは確かに楽しく、今に至るまで続いております(笑)。

年齢、時代的なギャップもあり、なかなか入居者さんのお気持ちに寄り添うのも難しいものですが。
おかげさまで「ヨモギ摘みに行きたい!」というお気持ちだけは自信をもって「そうですね」「楽しいですよね!」と言えるようになりました。

(追記)
干したヨモギの葉っぱは一年中持ちますので、当家には常にヨモギ茶が常備されております(笑)。