その231 「ヘッドライト」後日談。

 以前このコーナーで、防災用品としてのヘッドライトについて書かせていただきました。

 これは筆者の友人(四国に在住)が、去年の大規模停電時にヘッドライトが非常に役立ったことを教えてくれたので自分も買ってみて、ご紹介した記事になります。

その218 経験者は語る・停電対策グッズ

 ヘッドライトが何故役立つか、ご興味のある方は上記リンクをご一読ください。

 要約だけ書き出しますと、ヘッドライトが普通の照明(懐中電灯など)と比べて優れている点は

 ・両手が使える
 ・顔を向けた方を自動的に照らしてくれる
 ・うっかり置いて失くしたりしない

 などなどの点でした。

 筆者もこれを友人から聞いてすぐ購入しておいたのです。それから約半年。幸か不幸か、この利点を先日「実体験」してしまいました。

 先日のある晩、家人が台所の床下収納の蓋を開けて、中にはまっている大きなプラスチックのカゴを外したときのことです。カゴを外せば、そこは直接「床下空間」になっているのですが…。

 そこに、サッと飼い猫のうちの一匹が入り込んでしまったのです!

 普段は猫が入れないように床下収納の蓋を開けるときは台所を締め切って、と決めていたのですが。つい忘れてしまったようで、虚を突かれた家人はオロオロするばかりでした。

 筆者が床下に潜り込んでみると…と、こう文字で書けば一言ですが、床下収納の蓋ぶんの、それほど大きいとは言えない正方形に体をこじ入れて、さらに膝ほどあるかないかの高さに潜り込むのはそれだけで大変だったのですが…これがもう、真のまっくら闇の世界だったのですね!

 猫どころか、床を支える柱すら見えません。ちょっと進むとなにかにぶつかります。腕立て伏せも出来ないような狭さと息苦しさですから、戻れなくなるんじゃないかと恐怖すら感じました。
 そこを手探りで匍匐前進するしかなく、懐中電灯で前方を照らすなどとてもできません。
 そんな姿勢で運よく猫を見つけたとして、手がふさがっていてどうやって捕まえればいいのでしょうか?

 その時、「あ、なるほどこれはヘッドライトだ!」と真に理解できました(^^;)。

 自室からヘッドライトを持ってきて装着、ついでに軍手と布マスクをして今一度床下に潜り込んでみると…。

 見える!これはすごいと感動してしまいました。見たい方に首を向けると、ヘッドライトの強い光は家の土台のいちばん端まで余裕で照らしてくれます。2,3回首を振るだけで容易に白いカタマリを見つけ(入り込んだネコは白が多めの三毛猫です)、移動はゆっくりな匍匐前進しかできないながら、すぐに無事保護することができました。

 ほんとうに「買っておいてよかった」と思いました。
 (その日のうちに友人にお礼メールを出しましたw)

 防災や病気・事故予防の話。いろいろ日々お聞きになると思います。便利グッズの情報もさまざま入ってきますね。

 ただ「実際に買って試す」まではなかなかいかないのが本音ではないでしょうか。
 かくいう筆者も、介護職員になるまでは防災グッズなど買いそろえてはいませんでした。ヘッドライトも友人の勧めがあったうえ、またこうしたコラムを書いている立場上試しもしないものを勧められないから買ったまでで…。そうでもなければとてもとても。

 情報を情報だけにせず、できることは実践する、習慣化する、買えるものは買っておく。何か起きた後では買いにも行けないのだなと強く感じました。

 筆者からは今一度、ヘッドライト、2千円もしませんからぜひご用意をと重ねて付記する次第です。いやはや…。

(余談)
 床下に潜ってみて、防災用品には「軍手とマスク」も絶対必要だと実感しました。災害時はガレキを踏み越えたり埃っぽいところを通ることもあるでしょうし。避難所でもマスクは必須でしょうしね。
 埃に関しては安い布マスクでもあるとないとでは呼吸の楽さが段違いだとよくわかりました。早速、自宅の防災リュックに追加で詰めておきました。