その209 一方通行の少ない路地

 路地。
 細かく言うといろいろ定義があるようなのですが、一般には細い道、大型車などは入れるかどうかという小さな道路のことですが。
 お読みの皆さんの地域には路地、ありますでしょうか?
 筆者は群馬県生まれ、千葉県、東京都を経由していま神奈川県に在住しております。どこの県でも、けっこう路地が違うんだなあと妙に感心してしまうところです。

 介護は地域密着と申しますが。路地を歩いていると、その「地域」なるものもところ変われば品変る…と感じることがよくありますね。

 例えば筆者の生まれた群馬県南部では、実はあんまり路地がありませんでした。(30年ほど前の話ですが、たまに里帰りしてもあまり変わっておりません)

 亡くなった父は公務員の建築家でなかなか地域のことに詳しかったのですが、どうも戦後区画整理されたとかで主要道路は妙にまっすぐ伸びており、家々もその道路の間にまっすぐに並んでおりました。細い道、未舗装の道は住宅街の中にはあまり見当たりませんでした。
 もちろん北関東の、正直言って田舎の町のことですから(なにしろ通勤時間帯でも電車が一時間に一本、たった二両編成で来るだけの街でしたからw)川や畑の近くには未舗装道路も私道もたくさんあったのですが。住んでいた家の近くは妙にまっすぐな道ばかりで、少年の思い出にありがちな「路地裏で遊んだ」記憶がございません…。

 その後、上京してからは「うわ、細い道!」というのにたくさん出会いました。筆者は特に下町方面にご縁があって、文京区、台東区、荒川区に長く住みましたのでそれはもう路地だらけでした。分かりやすく言えば人気漫画『こち亀』のあの雰囲気ですね…ちなみに『こち亀』の舞台・葛飾区もすぐ近くです。「路地初心者」としては妙に嬉しかった覚えがあります(笑)。
 ちなみに当社・大起エンゼルヘルプも荒川区に本社を置いておりまして、本社のあるビルから少し歩けばいくらでも「これぞ、路地」という道にぶつかります(笑)。

 ただ東京では、そういった路地は一方通行が非常に多かったですね。
 自動車がすれ違えないような細さですから当然なのですが、筆者は昔オートバイに乗っていたころあまりの一方通行の多さに辟易してしまいました(^^;)…もともと住んでいた群馬の田舎道には一方通行、ほとんどありませんでしたから。
 また路地は狭くて飛び出しも危ないし、家の前に何かモノが倒れているだけで原付でもぶつかりそうになって危ないので(事実、夜間走行中に倒れた自転車にぶつかってバイクをこかしたことがあります)そのうち煩わしくなって自転車生活に変えてしまいました。
 
 地域ごとに路地が違うな…と感じた瞬間でしたね。

 さていま住んでいる神奈川の南部では、これまた路地が多いです。
 そしてこれまでにない特徴として、路地がほとんど「袋小路」なのですね…。大通りから一本、細い道に入ると様々な路地の入口があるのですが、その入り口を間違えると他人の家の前で立ち往生してしまいます(^^;)他の道に通じていないのです。木の枝というか、血管というかのイメージです。事実、配達業者の方がよく道を間違えて電話をかけてくるような場所柄です。

 しかも面白いことに、そんな行き止まりの多い細い道なのに「一方通行」がほとんどないのです。

 まあこれは考えてみればそうで、袋小路が一方通行になってしまっては自動車が家を出たっきり帰ることができません。だから法律でそうは決められない、でも現実には「細い道で対向車が来て2台とも進めない」という状況がしょっちゅう起きているのですね。ほぼ毎日見ます(^^;)。

 で、コレが面白いなあと思うのですが、そういうとき別にトラブルになるでもなく、降りて相談するでもなく、どちらともなくバックしてすれ違える広い場所まで移動するんですね…。あれはどうして両者の合意がとれるのか実に不思議です(笑)。…まあ、慣れているんでしょうね。

 引っ越してきた当初は「これどうにかならんのだろうか?」と思ったのですが。
 考えてみれば両者が納得して、多少の不便を受け入れて、何となく譲り合ってそれでうまく行ってるんだから余計な決まりなんか要らないのかとこのごろ考え直しました。なにしろ決まりは少ないほど気持ちはいいですからね。なにか介護や支援にも一脈通じるような…。

 最近は対向車同士のお見合い状態、なんとなくバック…の流れを見ると妙にココロが柔らかくなるような気がしますw。

 ほんと、路地も地域もいろいろだなと思う次第ですm(__)m。