その159 「電話」の重要性
先月(2022年7月)2日、携帯電話の会社auを抱える通信会社KDDIが大規模な「通信障害」を発表しました。
筆者もauのスマートフォンユーザーで、利用者・当事者でありました。家族割引の関係で家人も同じです。
通信障害の発生当初、筆者は自宅におり、自宅のWi-Fiでインターネットにはつながっていました。さして不便は感じなかった…というより、ネットニュースで見て初めて「何か不具合が起きたらしいな」と思った程度でした。
近年、いえもうここ10年以上ですが、日常生活にはインターネットがあれば十分連絡が取れるようになっています。メール。ライン。ツイッター等SNSアプリのダイレクトメール。Wi-Fiなら音声通話やテレビ電話も時間を気にせず掛けられますし、リモート会議もZOOMなどのアプリを介してインターネットで行います。そして今や多くの人が自宅や会社にWi-Fiを引いている時代ですから、携帯電話の通信キャリアに何か不具合があっても自宅や会社に居れば被害は小さく済むかもしれません。
…が。
私事で申し訳ありませんが、いかなる不運か、通信障害の起こった次の日・3日の夜。猛烈に虫歯が痛み出しました(-_-;)。
土曜の夜で日曜は歯医者は休み。痛みで眠れぬ一日一夜をまさに千秋の思いでやり過ごした月曜日の朝、目を赤くして近所の歯医者さんに電話をかけたところ…。
なんということでしょう。電話が通じないのです(-_-;)。
「あ、そうか通信障害って、電話もか!」と当方愚かにもその時やっと事の重大さに気づきました。
しかしなにしろ大変な歯の痛みです。もう一刻の猶予もない。迷惑かもしれませんが直接歯医者に行くしかない!と決心してタクシーを呼ぼうと思ったら、なんとなんと。
タクシー会社にもこれまた電話が通じないのです(当たり前ですが(^^;))。
アプリで予約はできますが、確認の電話がとれません。なによりそんなヒマはないのです。
結局、痛む歯を食いしばって自転車を飛ばしましたが、「電話が通じない」とはどういうことか、身に染みてわかりました…。(蛇足ではございますが、飛び込んだ病院でなんとかすぐに処置していただけました)
しかしこれ、歯医者だったからまだ自分で行けましたが。もっと怖い病気だったらどうなっていたでしょう。また交通事故、なにかしらの事件に巻き込まれた、目撃した、等の場合はどうでしょう。
「110番」「119番」が通じない!という恐ろしい事態になってしまいます。事実、この週末は東京都で緊急通報が1割減とのニュースが流れました。
介護職員も施設を離れる場合、必ず携帯電話を持ちます。利用者さんの受診の付き添い、買い物、お散歩…毎日なにかしら外出の機会があります。
何かあった時は施設に電話しますし、緊急の場合は救急車や警察にかけることだって十分あり得ます。
…この週末の介護職員さんの恐怖は想像に余りあります。
よく考えると電話が通じないなど、筆者42年の人生で初めての事態です。ネットの発達で頻度が下がったとはいえ、いざというときはやっぱり「電話」なのですね。
しかしこうなると対策と言っても、いちユーザーに何ができるのか難しいところです。常に複数台持つ、というのもお金が大変ですし…。
とりあえずは近所の公衆電話の場所をチェックする、くらいでしょうか。
通信会社さん各社に置かれましては、人命にもかかわることと認識して真剣に再発防止に努めていただきたい…と、切に願います。