その05 明るい人、暗い人

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「アナタは明るい人、それとも暗い人、どっち」?明るい、と即答できる人はいいでしょう。「うーん、そういわれると・・・」考えてしまう人が大半だと思います。常にどっちかということもなく、明るくなったり暗くなったりするものでしょう。ちなみに私は「暗いです」・・・。

「人付き合いが苦手」「愛想よくできない」だから介護職なんて無理だろう・・・とお思いの方もあるかもしれません。私もそうでした。否、今でもそうです。

はじめて現場に入った日、先輩職員さん(特に女性)の明るい声に圧倒されました。福祉関係者はなぜか元気な人が多いです。「ありがとうございますっ♪」的なハイトーンが耳に入るたび「俺には・・・できん」と落ち込んだものです。ああ明るく生まれたかった、この暗い性格のせいでどれだけ損をしてきたのか(笑)。

皆でワイワイ食事するのも苦手、大人数で出かけるのも苦手。休日は独りで本を読んでいたい。おしゃべりも気を使うから用がなければ話しかけないで欲しい。人より虫が好きだ。ざっと言って私は以上のような人間ですので、もともと対人の職務に向いていないのです。

しかし勤め続けるうち、「そもそもお年寄りだって明るい人ばっかじゃないよな」ということに気が付きました。大人ですから,職員が明るければ愛想を返してくれます。でも本当は疲れるんじゃないか、ほっといて欲しい時だってあるんじゃないか。自分みたいな暗い人だっているんじゃないか?

介護施設に望んで入ってくる人はいません。入居系の施設なら他に行く所もなく、その場の雰囲気に合わせるでしょう。そこが明るさ一辺倒の施設だったら、私は息が詰まって死ぬでしょう。
要はバランスで、暗い職員だって5人に1人くらい居たほうがいいんじゃないでしょうか(笑)。

ここをお読みの暗さに自信のあるアナタ、介護職になって下さい。アナタが必要です。将来私が介護施設に入るとき、アナタのような暗い人がいないと本当に困ります。

自分がその仕事に向いているかどうか、基本的にはやってみないとわからないと思いますが、ある先輩からはこんな話をききました。ご参考まで・・・。

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