その204「119番」と「#7119番」について
お読みの皆様は、救急車を呼んだことはおありでしょうか?
なかなか自分で呼ぶ機会は少ないですよね。まあ、少ない方が良いのですが…。
介護職員は業務上どうしても救急対応が必要な場合があり、いざというとき慌てないようスタッフ間で「救急車を呼ぶ練習」などもされております。おかげで、筆者は以前在籍していた施設の正確な住所と電話番号を今でも暗唱することができます。もしもの時が怖くて、かなり真剣に覚えた結果ですね…(^^;)。
(当社施設の電話番号は「グループホームなごみ〇〇」の名にちなんで下3桁が「753(なごみ)」のものが多く、筆者もその語呂合わせで覚えておりましたw)
介護施設で行われた救急車を呼ぶ練習とは、だいたい以下のようなものです。
・救急車を呼ぶ場合のおおまかな手順を覚える。
まずなにかあった時、施設に責任者がいる場合はホーム長、いない場合はリーダーに報告のうえ救急車を呼ぶかどうかの判断を仰ぐ。
・施設の正確な住所・電話番号を暗記する。
電話口で救急隊員さんにお伝えするためです。とくに住所はあいまいな言い方ではなく「〇丁目〇番地〇号」という正確な名称で覚えました。
が、電話をしてそれで終わりとはもちろんいきません。
・救急車到着前にやるべきことを把握。
急変のあった利用者さんの保険証の写し、個人ファイル(家族の連絡先や、なにより既往歴が記入されている)そして「靴」を出しておく。靴は忘れがちですがないと帰りに困ります。
電話口で指示されたことがあれば実行する(姿勢を横にする、頭を動かさないなど)。
スタッフ一人が対応に追われている場合、もう一人は他の利用者さんが不安にならぬよう努める(道沿いのカーテンを閉め、救急車が到着しても驚かないようにするなど)。
以上のことができたら、スタッフ一人は施設の前に出て救急車がきたらすぐわかるように待機する。
・救急車到着後の流れを把握。
スタッフ一人は救急隊員さんに状況を報告。もう一人は他の利用者さんを見守りつつ、「記録」をとっておく(〇時〇分 119番。〇時〇分 救急車到着 など。医療関係の情報、特に救急ではご家族や役所などに報告するとき記録が必要)。
いよいよ搬送となったら、スタッフ一人が救急車に同乗し付き沿う。
(またこの時同時に責任者はご家族への報告電話などをしています)
…ながながと書きましたが、これでワンセットでした。これだけのことを慌てずにするには確かに訓練が必要ですよね。
ご家庭では訓練とまではいかずとも、「住所と電話番号を大書した紙」を目立つところに貼っておくのは役立つと思います。いざというときサッと口から出ませんからね!特にこのスマホ時代、もともとちゃんと覚えてないなんて方もあるんじゃないでしょうかw。
施設では固定電話に住所と電話番号が吊るしてありました。ご家庭なら冷蔵庫とか玄関とか、毎日見る場所がおススメです。
また、「なんだか気持ち悪いけどこれ救急車を呼ぶほどかな…?」と判断に困る場合もありますよね。
介護施設なら常駐の、あるいは定期的に来てくれる訪問看護師さんがあり、夜勤中でも電話で医学的な判断を仰ぐことも可能ですが…。
ご家庭ではそういう場合のために、近年「救急電話相談」#7119という番号が宣伝されております。総務省消防局のホームページを載せておきましょう。
https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html
以上のように、救急車を呼ぶべきか判断に困る場合相談できる電話番号です。ご存じの方も多いのではないでしょうか。
ただこれ、ひとつ注意がありまして
「対応していない地域がある」
んですね(^^;)。実は先日、家人が「なんだか胸がいたむ」というのでかけてみたら当方の在(神奈川県H市)は未対応でした。H市からこの番号でY市にかかってしまい、市外の相談は受け付けられないとのことでした。
お読みの皆様も、住んでいる地域が対応しているかぜひ事前にご確認ください!知らずに頼りにしているといざというとき痛い目にあってしまいます…。
余談ですが困った筆者はそのまま自分の住んでいるH市の「消防本部」に電話をしてみました。そうしたら有難いことにその場で症状を聞いてくれて、相談に乗ってもらえました(…家人の様子はその時点で落ち着いてきて、大事ありませんでした、念のため…m(__)m)。またこういう場合の対応についていろいろと教わることができました。
まず判断に困って#7119もない場合、遠慮なく救急車を呼んでほしい、ということ。昨今いたずらに救急車を呼ばれて困るというニュースも多いが、体調の悪い人はもちろん躊躇することはない、とのこと。
自分で病院に行ける場合は、まずかかりつけ医に電話。かかりつけがない場合は夜間診療をやっている病院をあらかじめ調べておき(その電話で最寄りの夜間対応病院もおしえてくれました)事前に電話してから行く(ネットで夜間診療アリと書いてあってもその日の様子はわからないので)こと…等々です。
消防本部に電話をしたのは初めてでしたが、救急についてわからないことはやはり救急のプロに聞くのが一番だなと改めて思いました。
皆さんもどうぞ地元が#7119に対応しているかお調べの上、いざというとき慌てないよう備えていただきたいと(わが身の失敗から…(^^;))思い、今回書き記しておく次第です。
では以後もお互い備えてまいりましょう!