その212 毎日見る「凡事徹底」の看板

 筆者ももうかなり長いことこのようなコラムを書かせていただいており、いつもお付き合いいただきありがとうございますm(__)m。

 ここを読まれる方は、介護を受けられるご本人ではなく(とうぜん認知症やご病気があったらモノを読むような体調ではないでしょうしね)その関係者、ご家族、または介護の仕事に興味のある方…であろうと思い話題を選んでおります。

 すると認知症は現在、根治の難しい病気でありますので、自然と話題は「予防」が中心になってまいりますね。介護予防はもちろん、感染症そのほか、介護に関わる「予防」のお話が多くなってまいりますが。

 これが長年書いておりますと、やはりだいたい気を付けることというのは決まっておりまして…(^^;)。

 夏は熱中症。冬は感染症。これはもう毎年です。
 春は春で環境の変化による気分障害、花粉症やアレルギー、梅雨時期には食中毒。秋はさすがにいい季節ですが「防災の日」「津波防災の日」がそれぞれ9月11月にありまして、災害の備えなどお話することとなります。
 
 我ながら「うーむ、毎年同じような注意喚起をしているな…(-“-)」と思わざるを得ません。

 しかしそんなことを思っているとまた自然災害が起きてしまったりで、結局おなじ注意を繰り返すことになります。筆者の住む神奈川では8月の台風で土砂崩れや道路冠水もありましたし、特に今年はまた地震も多いことですし…。

 たまにはこう、「認知症の特効薬ができました!」とか、「介護保険が安くなりました!」とか、明るい夢のあるニュースをどーんとお伝えしたいと思いますが。なかなか大きな動きはありませんね。

 ものごとみな地道にやっていくしかないと頭ではわかっておりますが、つい「なにかいっぺんに世の中よくなるようないいことが起きないかなあ」などと思ってしまう、秋の空です(^^;)。

 さてそんなことを思いながら近所を歩いていると、夏からずっと工事中の建物があるのですが。その工事現場に、「凡事徹底」「すべては準備で決まる」と大書された看板が立っているのですね。

 たぶん工事の作業員さんにむけて書かれたものだと思いますが、そこを通るたびに「うーむ、やっぱりそれしかないか!」と襟を正す次第ですw。

 工事現場は介護現場と同じくKY(危険予知)が徹底されたお仕事。その工事現場では夏の間から暑い中、野外で、大きな機械で重い鉄骨やらパネルやらを扱っていて見ているだけでも大変そうです。
 そして作業員さんは暑い中でも長袖長ズボン、ゴムの軍手、ヘルメット、安全帯、安全靴を毎回しっかり着込んでおられます。ああも着込んでいては目に入る汗を拭くのも大変だろうと思いますが、「今日は暑いからヘルメットいいや!」なんて人は一人もいませんね(^^;)。当然といえば当然かもしれませんが、やはり頭が下がります。
 半袖シャツで通り過ぎる自分がなんだか申し訳ないような気がします。

 それが数か月。
 大きなマンションがそろそろ完成に近づいてきたようです。あれだけのものを作り上げるのもやっぱり日々の「凡事」なんだなあとつくづく感じるところです。一日でも「ヘルメット忘れた」なんて人がいたら無事に完成はできないわけで…。 

 今年も10月、もう終盤です。

 1月から感染症にもかからず、食中毒も起こさず、熱中症にも倒れずこれたのは日々の「凡事徹底」のおかげ。
 マスク、手洗い、食品を密封する、生ものには火を通す、経口補水液を摂る、朝ごはんを食べる…みんなみんな口に出すのも呆れるほど当たり前の「凡事」ですが、これよりほかに予防はありませんね。

 凡事徹底、すべては準備で決まる。工事も介護も、いや生活も一緒だなと改めて意を強くした次第です。

 では次回からもまた堂々と、「同じような注意喚起」を倦まずたゆまずやっていこう(笑)と思います!