その97 「介護予防」予防
2019年もおしまいですね。
来年のことを話せば鬼が笑いますが、政府は来年2020年の当初予算案で、「介護の予防や自立支援に成果を上げた自治体に配分する交付金を現在の2倍(400億円程度)に大幅拡充させる」というニュースが流れています。
拡大する医療費、介護費用を「予防」によって抑えようとの狙い。いいことのように思えますが一方「成果主義で運動、活動の強制につながりはしないか」との懸念もあるようです。
たしかに健康の維持が交付金につながるとなると…妙なことにならないか、慎重にもなりますね。
同じことでも強制されたらつまらなくなり、好きにやるなら楽しいもの。
しかしまあ、予防に努めるのは「個人単位」では間違いのないことです。
話題の認知症に限らず高齢者に多い脳梗塞。リウマチ。円背(背中が丸まってしまう)。神経痛や脊柱管狭窄症…。これらはすべて「一度かかると完治しない」病気です。完治しない、と一言でいいますがよく考えたら大変なことですよね。どんな治療も運動も「治る」と思えば耐えられますが、治らないとなったらこれはもう…。
余談ですが昔「お金があればなんでもできる」的なことを言った実業家さんとか、最近も女優さんだかアイドルさんだかが「幸せはお金で買える」とツイートして話題になりましたが。若くて健康ならまあそうだろうと思いますが…「背骨の替え」は売ってないぞ、と反射的に思ってしまいます。脳も肝臓も椎間板も売ってない。お金で買えるのはせいぜい歯と髪の毛(のニセモノ)くらいのものです。
さて「介護予防」というといつも思うのですが、65を過ぎていきなり健康習慣をというのもムリがあるような気がしませんか。
ふつう多くの人は就職して40年以上、運動を強制させられたりはしません。はっきり言えばナマりきっている状態です。高齢者に人気のジョギングや水泳でもいきなりはムリでしょう。ではウオーキング、散歩くらいから…と思いますが、実際やってみると「さしたる目的もなく独りで歩く」というのは実にムナシイものですw。私も運動不足なときたまにやるのですが「これは正確な意味での『徘徊』ではないか」と思えてきますw。
自分の場合は絵を描くのでカメラを持って歩きながら「面白いものがあったら撮って、あとで絵に描く」ことにしました。これなら一応仕事ですし意味も生まれます。
どうもこういう理由をなにかしら、体力のあるうちに見つけておかないと。体が弱ってから改めて「習慣」にはできないような気がするのです。
まして他人から「介護予防だから」と言われても…まあ、やる気出ませんよね。
介護予防の予防wとなると、これは早すぎるということはないと思います。運動でも食習慣でも社会的活動でも、なんでもいいのですが、「高齢者の心配をするほど自分は大丈夫なのか?」と考えると…苦笑い、ですね。
…ちょっと走ってきます。
追記
治らない病気は予防するしかないわけですが…健康でも歳を取る、いつかは亡くなる、これは動かしがたいこと。
よくSFにこんなテーマがありますが…
小説ならウエルズ『故エルヴシャム氏の話』。こういうのは自分が30過ぎてから読むと昔と全く違った味がありますねw。