その190 秋は庭掃除のシーズンです
「秋深し 隣は何を する人ぞ」の季節になってまいりました。
私事ですが筆者は今年、夏の終わりから庭の掃除に精を出しておりました。が、庭掃除は本来、雑草が少なく涼しい秋冬…つまり今時がシーズンだそうです。そういえばあんな暑い時期に始めることはなかった(^^;)ですね…。
実家を出てからずっとアパート暮らしだった当方は、大人になってから庭掃除をしっかりやったのは今回が初めて。本格的にすると実に大変なものですね。
雑草を刈る、捨てる、そこまではいいんです。が、また生えてくるなあと思って、根っこまで堀り起こりたのが底なし沼(笑)の始まりでした。一度掘ってしまうと土埃が舞うのでそのままでは近所迷惑。踏み固めようにも砂利がジャマで凸凹になってしまいます。
ふるいで砂利を除去して(文字で書くと一行ですがこれがしゃがみ作業で何日もかかるw…)地面を平らにならして踏み固めて、とりあえず埃が舞わないようにして。それでもそのままではいずれまた雑草だらけになりますね。
防草シートと砂利を敷くとか、芝を植えるとか、舗装するとか人工芝を置くとかとにかく何かで表面を覆わなければなりません。
道に面した西側は芝を植えました。これも初めての経験でなかなか難しいものでした。床土(とこつち)や目砂(めすな)という言葉も初めて知りましたね。芝だってのちのち手入れも必要ですが、大きく伸びてしまうほかの雑草よりはマシでしょう。
草が伸びては困る南側の通路は舗装を致しました。セメントと砂を混ぜ合わせて通路に敷き、水をかけて固めた簡易なものですが、これももちろん初めてです。通路の端はモルタルやコンクリートで補強しましたが、セメント、砂利、水とでモルタルやコンクリートが自宅で作れることも今回初めて知りました。だいたい「セメントを買う」こと自体も初体験です。
そんなこんなで大仕事になってしまったので毎日少しづつ庭に出ても、一か月ほどかかってしまい…(^^;)。さすがに体重が少し落ちましたw。
ただそうして日々庭に出ていると、近所の方がよく声をかけてくれます(やっぱり外に出るって重要なんですね)。「お疲れ様」「たいぶ片付いてきたね」なかには「エラいね」なんて声もいただきましたw。よく考えれば自分の家の庭を掃除して別に偉いことはないのですが、ニュアンスはわかるような気がします。「よく掃除をする人」はなんとなく「いい人そう」に見えるといいますか…ありますよね、そういうこと(笑)。
(まったく余談ですが筆者が経験した中では「新聞配達員」と「介護職員」がなぜか普通に働いているだけで「エラいね」と言われる職業トップ2です。)
そして言葉の端々に、特に高齢者の方ですが「自分も庭を掃除したいがなかなかできない」という意味が聞き取れました。主に体調、体力の問題です。上に縷々かいたようになかなかの労働ですから無理もないことでしょう。
庭師の方を呼ぶにもお金がかかるし…結果、世話ができずに庭の土部分をコンクリートで覆ってしまった方も多いようです。
昨今では新築のはじめから庭を舗装してしまう一軒家が増えているとも聞きました。ちょっともったいないような…。
そう思って近所を見てみると、確かに「庭」の状態が目に付くようになりました。手入れがない家というのがちらほら見受けられます。
今までは別に何とも思わなかった(あんまり庭を気にしない人なんだろう、くらいで…)のですが、そういわれてみればなるほど、なんとなく家のサイズといい築年数といい佇まいといい「庭のお手入れができなくなった高齢者の家」なのかもしれません。特に玄関から門までのあいだが草で埋まっている家を見ると(大丈夫だろうか…)とやや不安になってきます。
また逆に非常に手入れのいい庭、土がキレイで植物や家庭菜園が見事に管理されている庭の持ち主は、気を付けてみるとやはりちょくちょく出てきて手入れをしておられる姿が目に入るのですね。土が元気な家は住む人も元気。そういう庭は見るのが楽しみで「いま時期は何を植えているんだろう?」と参考にさせてもらっておりますがw…。
庭の土ひとつにも住んでいる人間の情報、ことに健康状態が出てしまうものだなと感じます。
筆者もせっかくキレイにした庭、掃除をサボるとご近所に(どこか体調でも悪いのか?)と誤解を与えかねない(^^;)なあと多少プレッシャーを感じております。できるだけマメに手入れして、庭も健康も維持していきたいと思います。