その229 「AI時代」の介護職員
すっかり定着しましたね。「AI」。
パソコンやスマホを使っていると、毎日のようにネット広告で「AI」の文字を見ます。AIで業務を効率化しよう、AIでクリエイターになろう、AIで〇〇、××…。
数年前に画像生成の分野で話題になりましたが、もちろんAIは画像だけに使われているのではありません。
文章作成、音楽、映像の作成。いや作成だけでなくそもそもネットでの検索エンジン、さまざまな自動化などもAIだそうです。検索サイトで何かを調べようと思うと、いちばん最初にAIが要約した内容が出るようになっていますね。
自分はAIなんか使ってないよと思っていても、どこかしらなにかしら使っている時代になっております。
この頃は、特に「文章」でAIを感じるようになりました。
ネットで調べものをしているときとか、広告のメールが目に入ったときとか「ああこの文章、AIが書いたんだろうなあ」と思うことが増えてきております。
不思議となんとなくわかるものですね。
このコラムはパソコンで、Windowsの「メモ帳」で書いているのですが。

Windows11になってから、メモ帳アプリの右上に今までなかったアイコンがついております。青と赤の渦巻きのような。これはWindowsに付属の「COPILOT」というAI機能で、クリックすると「要約」とか「長くする」「短くする」…などいろいろ出てきます。驚きましたね、もうOSに標準装備されているんですねえ。
一応申しますが当コラムはすべて「手書き」でそれらの機能を使ったことはありません。
こうなると、こうした仕事のコラムなどもAIがパパパッと書いてくれる時代もすぐそこなのかも…そうなったら楽だな(笑)などとつい思ったりも致しますが。
(そうなれば実際は筆者が失職する(^^;)だけで楽でもなんでもありませんけどね…w)
ただ、先日AI関連でこんなことがありました。
いつものように仕事で調べものをしておりましたら、自分の知りたいことについてかなり長い、詳細だと思われる記事を見つけたのですね。
それを15分くらいかけてじっくり読み込み、メモし、ふむふむそうなのか…と思っておりましたら。その記事の「末尾」に、
「この記事はAIが作成しました。内容は不正確な部分がある可能性があります」
…と書いてあったのです。
どう思われますでしょうか。
当方は「それは最初に書いてくれよ」と思いました(-_-;)。

調べものに、文章作成にAIを使うことは別に良いでしょう。時間の短縮にもなるでしょうし、ネットから情報を収集してまとめるという意味ではAIも同じことをしているのですからね。
ただ、それが「不正確な部分がある可能性」を含むものなら、やはり公開前に人間がチェックをすべきではないでしょうかね…。
またそれを最後に書いておくというのも不親切で、みんながみんな記事を最後まで読んでくれるとは限りません。途中まで読んで「なるほど、そうか」と記事を離れてしまう可能性は考えなかったのでしょうかw。
介護についてモノを書くのは、筆者にとっては「怖い」ことです。
病気や健康について、また法律や制度について、何か間違ったことを書けば他人様に迷惑をかけてしまいますから(^^;)。筆者もその点はつねづね恐れており、食べ物のことは管理栄養士さんに、運動のことは理学療法士さんに教わったこと…それ以外は書きませんし、書けません。
しょっちゅう変わる法律や制度については調べものが大変ですw。
また日常の電気代とか、熱中症の事故発生件数とか、家庭内の事故が多い場所の統計とか、そういう情報は極力政府か公的機関の情報をもとにして、引用元のリンクも記載するようにしております。
その上で、それでも間違っていることはあるかも知れません。その時はご指摘をいただけるようにと、こうして「自分の名前」を明らかに文章を書いております。
こうした「怖さ」は必要な感情だと思います。
現場の介護職員さんも、日々他人様をお預かりするという責任の中で、さまざまな「怖さ」を感じながら仕事なさっているわけですしね。
AIにはもちろん「怖い」という感情はないでしょう。
だったらそれを使う人間の方が、もっと余計に「怖がら」なくてはならないのではないか…筆者はそう愚考するものです。
少なくとも介護のコラムでは、「調べものはAIにやらせました。文章もAIに書かせました。間違っていてもAIのせいです」という態度は通用しないと思います。
誰も読みたくないでしょう(^^;)そんなコラム…なんの参考にもできません、恐ろしくて(笑)。
少なくとも命に関わること、健康に関すること、法律に関すること…などなどには極力「間違ったら怖い、人間が責任をもってあたる」という態度は必要だと思います。AIをはじめとした便利な機能を使うとしても、それだけに任せきらず最後は「人間」の顔が見えないと、安心できないなと思いました。
そうしたわけで、当コーナーは以降も変わらずアナログなままでお届けいたします所存ですm(__)m改めてよろしくお願いいたします!
(余談)
しかしモノを書くのに調べものも執筆も推敲も校正もAI…というのを10年20年やっていたらどうなるんでしょうね。「なんでも代行されると人は早くボケる」と筆者は先輩に教わりました。なんとなくこれも「怖い」ような気が致しますね…。