その207 フルーツを食べたい!のですが…w

8月。夏も本番になってまいりました。

 熱中症や脱水予防はもちろんですが、そろそろ疲れもたまってきて、食欲不振・夏バテの時期に入ってきましたね…。

 水分・塩分はよく言われますが夏バテでは汗で失われるカリウム不足も要注意と栄養士さんに教わりました。夏のカリウム補給にはフルーツが良いとされております。というのもカリウムは水に流れやすく、過度に洗ったり加工したりせずにそのまま生で食べられるものがより良いのだそうですね。

 また夏に限らず、老化防止に効果のあるという「抗酸化作用」はフルーツの得意分野。日常的に積極的にとっていきたいものですが…。

 …なかなか難しいですね(笑)。つい忘れてしまいます。

 筆者のつとめたグループホームでも果物は季節を問わず食卓に並んでおりました。
 
 いちばん人気は手間の要らないバナナでしたね。むいてすぐ食べられる、固すぎないので歯の弱った方でも安全。朝食デザートの定番でありました。ヨーグルトと混ぜたものが栄養的にも飲みこみにも安心で特に人気でした。

 次によく出たのはりんご。これは固くて食べられない方もありましたが、すりおろしりんごや、砂糖で煮るコンポートなども提供しておりました。ちなみに筆者は「コンポート」という料理法をその時初めて先輩職員さんから習いました…果物を料理するという習慣がなかったんです(^^;)。こんな知識も介護の仕事の副産物でした。

 ほか、たまに出るものにはスイカ、キウイフルーツ、イチゴなどがありました。いずれも入居者さんには人気で残されることはあまりなかったですね。

 むずかしいのはサクランボやブドウなど、小さくて誤嚥の可能性があるもの。種がひっかかりやすく危険なものもありました。そこは支援で食べやすく提供するのですが、果物は水っぽくてあまり触ると崩れてしまうので加工も難しいですよね。大変苦労した覚えがございます。

 また危険といえば薬と相性の悪いモノもあります。有名なのは高血圧のお薬とグレープフルーツですね。グレープフルーツに含まれる成分(フラノクマリン類)が薬の分解を阻害する…要するに効きすぎてしまうのです。血圧が下がり過ぎたら命に関わりますからね!ちなみにグレープフルーツだけでなくはっさくや文旦にもこういった成分が含まれております。

 …ややこしいことに同じ柑橘系といってもレモンやみかんにはこういった悪影響はなく、覚えるのが非常に大変でありますね(--;)。果物以外でもありますからね、ワーファリンに納豆とか…。   と、介護施設でそうした果物の効果や注意点を学んでおいてなんですが、自分のこととなるとなかなか果物が食卓に上らないなと反省しきりです(–;)。
 どうもなんというか、食べれば美味しいのですが、習慣がないというか…。筆者は基本的に自炊派で毎日料理も買い物も致しますが、それでもあまり果物には手が伸びません。
 お読みの皆さんのお宅はどうでしょうかね、果物、よく食べておられますか?

 気になって調べたところ、実は日本は「あまり果物を食べない国」なのだそうです。

 少々古いデータで恐縮ですが2011年の農林水産省「中央果実協会」の調べでは日本の果物消費量は世界174か国中129位。1位のオランダに比べて3分の1しか果物を食べていないのだとか!…ちなみに2019年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」では日本人の果物摂取量は1日あたり96,4グラム。これは厚生労働省・農林水産省が作成した「食事バランスガイド」が目指す果物1日200グラム…の、半分にも満たない量なのですね。

 うーむ、果物をあまり食べない、のは自分だけではなく全国的な特徴だったのですねえ…。

 果物消費量も昔はもう少しマシであったようで、たしかに自分も子供の頃は夏は実家でスイカや夏ミカンを日常的に食べておりました。
 現在どうして消費量が減っているのか、値上げの影響か、他の嗜好品が多いからか、いろいろ言われてはおりますが原因ははっきりしないようです。

 筆者は今年の初夏くらいから「さすがに今年こそフルーツの習慣をつけたいな…」と思い、スーパーの果物売り場をしげしげと眺めています。今年食べたもので美味しかったのは、5月に買った種なしブドウとサクランボ、6月上旬のライム、キウイなどなど。少なくともレモンは常備して、自作の経口補水液に「搾って」入れております。

 自戒も込めてこの夏本番、さらに積極的に果物をとっていきたいと思います!

 まずはセンスを磨かないと…(^^;)。