その74 銀行員さんと介護のこと

 

「いつのまにかすっかり師走ですねえ」
12月4日に銀行に行った私に、職員さんが言いました。
今年最後のコーナーは、お金の話です。
銀行に行ったのは「相続税」の納付ため。

私は相続税なんぞ納めるのは初めてなので(まあ一生に何回もないですが)、念のため銀行に直接行って納めました。不安のあるときは、やはり「プロの人と会って」物事を進めたほうが安心できますね。

銀行員さんも、知らないことはどんどん聞いてくださいといろいろ教えてくれました。

私の母は今年3月に亡くなったのですが、先に亡くなった親類の財産をしっかり処理できていませんでした。相続人が高齢や病気の場合ままあることだそうです。
そういう場合、整理が法的にややこしくなり時間がかかるので、メンドウでもやはりその都度きちんとしておくのが大事だとのこと。
(相続税は「死亡から10ヶ月」で納めるべきもので、うちのケースもだいぶ時間がかりました)
複雑なお金の処理は、高齢者ならずとも「負担」であります。

・・・お話を伺ううち、銀行員さんも「介護とおんなじだ」と思う部分がありました。

たとえば、高齢者の方で「通帳がなくなった!」と駆け込んでくる方がある。困ったことにそれが先週も再発行したばかりの方だったりする・・・でも「勘違いですよ」なんて言えないし、やたらと再発行するのも返って危険だし、これは困るでしょう。

また振り込めサギ予防。様子が変だなと思って声をかけても(この点銀行員さんは気を張っているようです)、焦っている方には通じない。怒らせてしまうこともある・・・と、ああこれまたありそうだと思いました。
「あんた騙されてますよ!」とは言えませんよね。

「そんな時、どうするんですか?」と聞いて、その答えに私はちょっと感動しました。

「地域包括か警察に言って、専門家を呼んで助けてもらいます」
・・・おお、完全に介護だ同じだ、と思いました。

介護職員も利用者さんの生活を見守りながら、事故・病気・行方不明は医療や警察につなげます。大事な仕事は「見てること」「気づくこと」。私はお金の現場で銀行員さんがそうやって見ていてくれることを初めて実感として知りました。
また、やっぱり「人の目の届く場所に出る」大事さも痛感します。不安な時は「人」に聞かなきゃいけません。スマホもATMも「変だなあ」とは言ってくれませんから・・・。

「お金は人生の節目節目で大きく動きます、そこに係わるのが銀行員としての誇りです」とは担当さんの言。
ほんのり、介護職員に通じる気がしました。

拙著『介護職員一年生』に強調したことですが、やはり「地域は崩れていない」と思います。

(追記)
・・・と、温かい気持ちで帰宅したら年末調整の書類が届いていました。私はコレが実に苦手ですw。
今年から入った保険の控除の書き方がわからず、相続を収入に数えるべきかどうかもわからず・・・結局また「プロに聞く」ハメになりました。

(区の税務課に相続は収入なのかと聞いたら「そんなことを聞かれたのははじめてです」と言われw・・・ちなみに相続は収入に含まれない、だそうです)