その30 お母さんじゃないんだから

都バスに乗ったときのことです。

イラスト1

イラスト2

・・・マンガですが、誇張はありません。事実です。

必要といえば必要な注意事項かもしれませんが、こんなに『ああせい、こうせい』『あれすな、これすな』と言われては逆効果ではないでしょうか。少なくとも私は「よし、気をつけよう」とは思えませんでした。「うるさいなあ」です。お母さんじゃあるまいしw。

介護職員になってからいわゆる注意アナウンスが気になるようになりました。介護では、「利用者さんに命令をしないように」必ず教わります。権利擁護などと難しいことを言わずとも、常識で考えてもそれはそうでしょう。利用者は大人、職員は社会人。それなりの話し方があります。

荒川河川敷を走っていると50メートル置きに注意書きのオンパレードです。『川原におりるな』『20km制限』『自転車に注意』『犬のフンは飼い主の責任です』果ては『粗大ゴミの不法投棄をみかけたら通報してください』なんてものまでありました。やっと体が温まってきたころに『スピード落とせ』w。いくらなんでも多すぎます。

逆に親切すぎるのも考えもの。電車では『次は○○、▲▲線はお乗換えです』に続いて『this train bounds for・・・』とか『please change・・・』とか英語のアナウンスが必ず入るのはどうなのでしょう。『ヤ・マ・ノ・テ・ラーイン』という日本語の発音を完全に無視した珍妙な英語は・・・要らないんじゃないでしょうか。『右のドアが開きます』も疑問です。どこから見て右なのか、どうせ言うなら『進行方向に向かって右』と正確に言っていただきたい。

どうも世にあふれる注意アナウンスは、親切や事故防止というより「ちゃんと言ったからね」アピールに思えてなりません。そうでなければもっと聞いてもらえるような工夫があるはずです。「大事なことだからしつこく言いました」では、あまりに芸がありません。

すすんでそうしたくなるような、注意アナウンスはできないものでしょうか。

たとえば『川原におりるな』を自然公園によくある『さがしてみようルリカラクサ』のような看板に変えたらどうでしょうね。花が生えているのは土手、川原の逆方向です。ゆっくり歩くことにもつながります(事実ベランダに花を飾ることで犯罪を予防している国があるくらいです)。
だいたい、命令口調よりよりよっぽど優雅というものでしょう。

こんな感覚も介護職員になってからのことです。
「介護」って、介護現場だけの話じゃないなーと感じるのはこんな時ですね。

(追記)
バス通勤をしている先輩に「車内アナウンス、うるさいですよね!」と聞いてみたところが「え、そんなの言ってた?・・・ぜんぜん覚えてない・・・」とのことでした。いわゆる耳タコで、右から左に抜けているようです。
ほら、いわんこっちゃないw。