その160 節電…優先順位は?

今年(2022年)、東京電力管内では「電力需要ひっ迫注意報」なるものが出されています。
家庭でも節電を呼びかけられておりますね。

しかしながら近年の夏は、エアコン必須の酷暑です。電力会社や政府がいくら節電をと呼びかけたところで、エアコンなしで乗り切ろうとすれば命に関わるところ。無理せず、適切に冷房を使っていきたいですね。
(なによりまず、東日本大震災から11年間、電気料金は上がり続けているにも関わらずまだ電力の安定供給ができないことへの誠実な説明が欲しいのですが…(-“-))

ところで冷房の消費電力って、どれくらい大きなものなのでしょうか。

6月後半、「エアコンよりも実はテレビのほうが消費電力が高い」というニュースがネットで話題になりました。とあるニュースキャスターさんも節電のニュースの最後に「節電している人はテレビは見てないでしょうけど」と発言、これまた話題になったようです。まあ、テレビでハッキリ「テレビ消して下さい」とは言えませんよね(^^;)。

調べてみたら、テレビがエアコンより電力を使うのは確かなようです。

『価格.com』サイトによれば、家庭の電力消費は上から①冷蔵庫②照明器具③テレビ④エアコン。この上位4種でだいたい家庭電力の4~50%ほどになるとのこと。

個人的には照明器具の電気消費が意外と大きいと感じました。エアコンを節約するより電灯をマメに消す方が効くのですね。節電期間はコンビニが照明を減らしたりしますが、あれも効果があるのでしょう。

また『電気事業連合会』の「家庭部門用途別エネルギー消費量」グラフによると、家庭の電力は用途別に①家電・照明他34.5%②給湯27.4% ③暖房26.5%④台所9.3%…ときて、驚いたことに冷房は⑤冷房2.3%に過ぎません。

冷房が暖房の10分の1というのも驚きですが、考えてみると日本には冬が厳しい豪雪地帯がたくさんありますね。摂氏0℃前後の東京の冬でも暖房は必須なのですから、北陸や北海道では+10℃、20℃ぶんのエネルギーが必要なのでしょう。それに比べて夏の暑さは、冬の寒さほどの地域差はありませんものね。

数字で見てみると「冷房は電気をたくさん消費する」というのは少し大げさなイメージのようです。少なくとも、夏の酷暑にはテレビや照明などをこまめに消す方が体力的にも電力的にも効果があるとわかります。

大切な身体と命を守るため、節電も「優先順位」を考えて行いたいものですね。

(参考)
『価格.com』電気・ガス料金 https://kakaku.com/energy/article/?en_article=15

『電気事業連合会』日本の電力消費
https://www.fepc.or.jp/smp/enterprise/jigyou/japan/index.html

(余談)
当社の施設では「テレビをつけっぱなし」には致しません。利用者さんの希望があった時にはつけますが、つけっぱなしにするとなんとなく眺めてしまうもの。それより利用者さん同士の関わり合いを大切にしたいため、こまめに消すようにと教わりました。

…期せずして節電していたわけですね(笑)。