その113 「代行」は飽きる(笑)

 

自粛期間中、経済が停滞している中、逆に業績を伸ばした分野があるそうです。

ひとつにはネットの動画サービス。映画やドラマ、アニメのサブスクリプション(定額見放題)は加入者を大きく伸ばしたとか。最近はパソコンやスマホからテレビに出力できるので、家族で見られます。ゲーム会社も軒並み好調、この春大ヒットを飛ばして品切れ中のN社は、この四半決算で前年比6倍の利益をだしたそうです。

もうひとつは出前サービス。取るほうだけでなく、配るほうにも変化が出ています。特にウーバーイーツ社は仕事がいつも通りできない方々の副業、アルバイトとして従業員がとみに増えているそうです。たしかにあの特徴的なリュックは毎日目に留まります。

私はこういうニュースを見るとつくづく「ああ人間、外に出られないとどうしてもこうなるんだなあ…」と感じます。

テレビと出前。

これらは、私の勤めたグループホームで「安易にやるな」と言われていた2つなのです。

念のため申しますが、これらのサービスに悪口を言いたいのではありません。介護職員として頼るな、と教わったのです。

テレビをつけっぱなしにしていれば、人は大体なんとなく見ます。皆がテレビ見ててくれれば介護職員はラクです。ただ認知症のある方、体の弱った方たちが「座って黙ってテレビを見ている」ではリハビリになりませんので、意味もなくテレビをつけっぱなしにするなと教わりました。(もちろん利用者さんの希望があればつけます)

出前も同じ。地域と繋がるため、運動のため、料理の習慣を失わないためになるべく自分たちで作る。日常はまずそれで自立支援とし、出前はたまの贅沢、楽しみとして機能していました。(これも希望があればとります)

しかしこれらは介護・リハビリとして意識していることで…テレビつけっぱなしで毎日出前でも、生きていくのに支障はないですwまあまあお金があればそうする、という人が多くても不思議はありません。経済を回す効果もありますしね。

ただ、飽きますねw

「代行」って飽きます。代わりにやってもらうのはたまには嬉しいけど、自分は何もしてないんですから…。元気で若い人だってそんなのが続けばボケちゃいます。

もし介護施設が毎日テレビと出前だったら、利用者さんも職員もヒマでヒマでつまらんこと夥しいでしょうね(^^)

なので、施設内でできることをなんとか探してやり始める…これがオモシロイんです。
掃除、裁縫、新聞折り、箪笥の整理、冷蔵庫の総ざらい…やり始めるとけっこうハマります。
私が好きだったのは「ナベカマの黒ずみ落とし」刃物は使わないし、座ったままでもけっこう力が要るし、なにより達成感がありまして…。

実はこれらのこと、ヤル気の出ない時非常に良く効きますw
汗をかくほどナベを磨くと、なぜかヤル気が出るのです。冷蔵庫がキレイになると何か作りたくなるのです。

グループホームで習ったのは、何より「自分でできることを探す」習慣だったのかも知れないと感じています。

おかげで毎日ヒマしませんw。

(追記)
ちなみに冒頭のマンガで折った新聞の使い道は、こうです。