その19 過量販売の解除

前回、内部監査のお話をしました。ついでといっては何ですが、もうひとつ法律のお話をお届けします。

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来年から消費者契約法、特定商取引法などの改定にともなって、すべての消費者契約に「過量販売解除権」が導入されます(・・・漢字ばかりでスミマセン・・・)。
何のことかザックリ言うと、「それ、明らかに多すぎるでしょう」という量の商品を売りつけてはいけませんよ、ということです。ちょっとザックリすぎますがw。
これは消費者を不正な契約から守るための法律ですが、介護にも深い関係があります。

ここ最近、高齢化の影響で消費者センターにくる相談案件は3分の1が70代がらみだそうです(10年前の倍以上)。認知症でモノを買ったことを覚えられず、繰り返し買わされてしまう。独り暮らしなのに冷蔵庫やテレビが3つも4つもある、そんなケースが急増しているとのこと。
また売る方に悪意がなくても、認知症の方が自分で同じものを必要以上に買い込んでしまうケースもあります。自由意志なのか、忘れているのか、お店の人も「昨日もテレビ買いましたよね」なんてなかなか聞けないでしょうね・・・。難しいところです。

こういったトラブルを防ぐため、訪問販売にしろ店売りにしろ「相手が認知症だと知った上で、過量に(多すぎる)商品を売ってはいけない」というルールができました。

大事なのは「認知症だと知った上で」。ですので、認知症の人を守るためには、あらかじめ周囲に病気があることを伝えていく必要がある・・・ということになります。やはり周りに知ってもらうことが第一。本人や家族の負担減に直接つながりますよね。

改正法の施行は来年6月から。効果のほどに期待しながら、注目したいと思います。

認知症をとりまく環境は、こうして少しづつ少しづつ改善していくんだな・・・と思います。

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(追記)
この法改正は消費者センターの「高齢者の相談が多い」ことがきっかけだったそうです。相談件数がデータになり、問題になり、法律まで変わるんですね。困ったときは相談する、長い目でみれば決してムダにはならないんだなーと感じます。
私も困ったときは相談してみよう、消費者センターは税金で運営してることですし・・・(笑)。