その91 缶ジュースが減った?

 

・・・缶ジュースが減ったなあ、と思うのは私だけでしょうか?

この間コンビニでジュースの棚を見たら、ほとんどがペットボトル商品でした。缶なのはコーヒーだけで、炭酸飲料、お茶、果物や野菜ジュースなどもほとんどペットボトルか紙パック。
私の子供の頃はあまりペットボトルは見られず、1,5リットルの大型ジュース以外はみんな缶ジュースでした。平成にじわじわとペットボトルが増えてきましたが、気がついたらもう缶はほとんどなくなっているんですね。

不思議なことに、なぜか自動販売機では缶が生き残っています。規格の問題でしょうか。なので最近はもっぱら自販機。そう、私は「缶・愛好家」なのです。

と言うのは、どうも缶のほうが美味しいように感じるのです。特に炭酸飲料。ペットボトルより缶のほうがよく冷えて炭酸も水に溶け、刺激を強く感じます。ペットボトルの炭酸は開けたとき「プシュ!」と大きな音がしますが、あれは水に溶けきらない炭酸が上部に溜まっているからですね。

ペットボトル主流で育ったお若い方は「そんな細かいこと・・・」とお思いでしょうw。が、これは慣れの問題で、比べるとだいぶ違うものです。私より上の世代は「瓶が一番」と言われます。瓶は缶より更に、炭酸の持ちがいい素材なのだそうで。

よく年配の方は「昔の漬物はこうじゃなかった」「昔の魚はもっと・・・」などと言われます。私、子供の頃は(そりゃノスタルジーだろう。そんなに違うわけがない)と思っていましたが・・・認識が甘かったようですw。違うモンですね。

私は小さいとき焼魚が好きだったのですが、長じてはなんだか惹かれなくなりました。最近気づいたのですが、原因は「七輪」。

七輪はもう日常めったに見られませんが、30年前の私の実家ではまだ現役でした。庭で七輪で魚を焼き、ニオイに興奮した犬をなだめるのが私の役目。油が落ちるとか遠赤外線とか料理のウンチクは別として、とにかく「製法」が違うならやはり「味」も違うでしょう。
こないだ実家で七輪を使ったらいつもより魚が美味しい・・・いや美味しいというより、私がそれに慣れてるんですね。

味の記憶というのは生存本能に刻まれるようで、大変に根深いものだそうです。この50年でジュースは瓶・缶・ペットと変化しました。魚は七輪からグリル、最近は火も使わないIH、になっています。ノスタルジーに加えて、物理的にも味が変っているのでしょう。

お年寄りの「昔は・・・」は単なる思い出ではなく、テクノロジーのことなんだ、と、やっとわかってきた39歳の私です。

(追記)
現代では瓶入り飲料はペットボトルより高級品、七輪は専門店で使うものになりました。「七輪のサンマと一升瓶」は昔のマンガでは典型的庶民おじさんスタイルだったのですが・・・w。