その79 未然に防ぐ人たち

年度替りの3月。町は例によって道路工事が多かったですねw先月はことに寒かったので、工事も大変だったでしょう。

誘導灯を振る作業員さんは終日、寒風の中を不動で立っていなくてはならず、あれは走り回るより大変な仕事だなといつも思います。私も以前、交通量調査のバイトをしたことがありますが、冬・外で・動かない仕事は実にツライのであります。

見通しの悪い夜間の誘導などは実際、命がけの現場になるそうです。そんななか足の悪い人に手を貸したり、車椅子を支えたりする、親切な誘導員さんを見ると表彰したくなりますw。

去年(平成30年)の交通事故件数は約43万件。死者約3500人・負傷者約52万5千人、だそうです。
私が子供のころ(80年代後半)は「第二次交通戦争」などと呼ばれ、交通事故の年間死者数は1万人を越えていました。ずいぶん少なくなったものです!事故を未然に防ぐ誘導員さんはやはり偉い。じつに偉い。

が、どうもかかる功績はいかんせん地味であり、あまり注目を浴びることはありません。
事故が起こってから駆けつける救急隊員や医者などはイケメン俳優の役どころですが、誘導員さんのドラマは見たことがない。予防だって人命救助です、もっとほめたほうがいいんじゃないでしょうか。

・・・さて、私が介護職員になってすぐの頃、勤めるホームの入居者さんはお元気な方ばかりでした。
認知症があって支援が必要なことは事実ですが「別に自分が見てなくても大丈夫なのでは・・・」という状態に思えました。アブナイ!という場面をめったに見なかったのです。

しばらくしてそれは「先輩ががさりげなく危険を予防してる」からだとわかりました。それだけ予防には気がつきにくいということでしょう。無事故なのは予防しているからで、当たり前ではなかったんですね。

交通事故でケガをする割合は去年の数字で0.005%(52万5千÷1億)ですが・・・介護ではどうでしょう。
例えば階段の上り下り。まず心配ない、95%は大丈夫という方の場合。

1日階段を5往復したら、無事故の確率は(95%の10乗)60%です。9人の入居者さんがあるとして「1日全員無事故」の確率は(60%の9乗)なんと0.01007・・・%。
誰も見ていなかったらたった1日で99%事故が起きる、ということです(今計算してみて自分で驚いていますwなんという数字でしょう)。しかし実際は一年のほとんどが「無事故の日」です。

職員は平気な顔で支援して、当然のように「無事故の日」を1ヶ月2ヶ月と連ねていきますが・・・詩的な表現でなく純粋に確率から「奇跡の連続」としか言いようがない。

やっぱり「未然に防ぐ人」は偉い。切に切に思います。

(追記)
私は小学1年生のとき交通事故にあい、母親と一緒に警察に出向いたのですが。

・・・子供にちょっとしたウソを吹き込むのはご愛嬌ですが、こういう場合は謝りましょう。子供が気の毒ですw。
(それにしても14年はサバを読みすぎだと思います)