その172 意外なモノにも補助金が…のお話

筆者の友人に、北陸に住むタナベさんという理学療法士さんがあります。訪問リハビリのお仕事をなさっています。

この方は面白い経歴の持ち主で、現在医療に携わりながらご自身も「視覚障害者」だった経験があり、学生時代は盲学校で過ごされました。またご家族にも視覚障害があり日常的にも介護をなさっています。それゆえ障害に対する想いも深く、地元のブラインドサッカーチームを盛り上げたり小学校に講演にいったりと、幅広い活動をなさっております。
(実はこのコーナーでも何度か「Yさん」の名でエピソードを紹介していますが、この度ご本人から「名前書いていいよ」の許可がでましたw)

https://recruit.enzeru-corp.jp/column/2022/10/17/1063
(以前ご紹介したタナベさんのエピソードです)

今回はそのタナベさんから聞いた、意外なものに補助金が出る、というお話。

その意外なものとは「福祉車両」です。

話のきっかけはタナベさんのお母様が病気をなさり、車イス生活になったこと。北陸は雪も深く自動車が大事な日常の足です。しかし普通の自動車に車イスを乗せるというのはなかなか難しい…。悩んだタナベさんは「福祉車両」について調べ始めました。

福祉車両とはザックリ言うと身体が不自由な人や車イスの方も乗れるように様々な改造を施された自動車のことです。(細かい定義や要件は法的に決まりがあります)

よくデイサービスの送迎車で、後部からスロープがでて車イスをのせ、床にチェーンがついていてそのまま固定できるものがありますね。例えばああいうのが福祉車両です。だいぶ専門的な車のように思えますが…。

それが実は驚くことに、福祉車両は一般・個人用のものがかなり発売されているのですね。専門店まである。そのうえ、購入者には各種の助成金(自治体によって違いはありますが)まで出るというのです。
試しに『福祉車両』でネット検索してみると、ホンダ・ニッサン・ダイハツ等の大手自動車メーカーサイトがずらりと並びます。また一般の自動車を改造して福祉車両にする「後付け改造」のサイトもあります。

行動派で自身もドライブ大好きなタナベさんは、関西にある専門店までわざわざ車で(北陸から片道400キロ以上w)乗り付けて見学の上、購入してきたそうで、筆者もその写真をいろいろ見せてもらいました。

これは眺めているだけでも面白い…といったら語弊がありますが、いやはや「よくそんなところまで!」と思うような装置、改造がたくさんありますね。後部座席のスロープ、スライドドアを開けると自動的に出るステップ、90度回転した上に持ち上がって外まで出る助手席(!)などなど、すごい工夫の数々です。(タナベさんはさすが理学療法士、この改造はいいがこういう姿勢がとれないとキケンだな…などといろいろ分析しておりましたw実物を見ないと納得しないのはやはりプロですね)

気になる費用のほうですが、福祉車両は装置のぶん普通の自動車よりは値段がします。補助金はその「普通の自動車との差額」にかかり、タナベさんの場合は差額の半額ほどを補助金で賄えたそうです。(割合、上限は各自治体で確認のこと)

福祉用具の補助といえばベッドや車イスなど障害を持ったご本人のものを思い浮かべますが、モノによっては「介護をする家族」が使う自動車などにも補助や助成金があるのですね。これは覚えておきたいところです。特に自動車が必須な地方ではぜひ利用すべきですね!

理学療法士であるタナベさんも実際に福祉車両を購入したのは初めてで、今回はいい勉強になったと仰っておりました。有益情報にて、ここにご紹介させていただきましたm(__)m。

(余談)

ドライブや自動車いじりが大好きなタナベさんは福祉車両の納車が待ちきれず、車につけるオプションパーツをやたらと買い込んでしまったようです(笑)。サイフが寒いと仰ってますが、もちろんそっちには助成金はでません(^^;)…。