その80 イス百態

 

過日、荒川区のあるバス停前で年配の男性が倒れていました。連れの女性が手を引くも起き上がれず難儀のご様子。不肖ワタクシお手をお貸しし、ケガのないのを確認すると、お二人は駒込病院行きのバスに乗って行かれました。

このバス停でお年寄りが倒れているのを見るのはこれが初めてではありません。実に4度目です。
私はここを「魔のバス停」と呼んでいます(苦笑)。

高齢者の多い荒川区ではときたま転ぶ人を見かけますが・・・それにしてもこのバス停は転倒が多い。どうしてだろう?と考えて写真にとり、しげしげと眺めてみました。

これが現場写真↓。

ちなみに、そのほかのバス停はこんな感じです。

・・・私の考えでは、おそらく「イスが悪い」のではないかと思います。
石製の丸イスは円柱状になっていて、踵を引きにくい形。立ち上がるときは踵が膝より手前に来るので、勢いお尻が前に出すぎるのでしょう。それで滑って落ちるのではないでしょうか。丸い座面は四角より両端が少なく、まして石ですから余計滑りやすく感じます。

オシャレなイスですが、お年寄りにはちょっと危険なようです。

こうなるとニワカにイスのことが気になり、目に付いた公共のイスを写真に撮ってみましたw。以下寸評してみましょう。

手すりが半円形のタイプ。
立ち上がるとき手すりが足らない感じがします。

昔ながらのベンチ。
手すりはありませんが、背もたれを持って立ち上がる人がいました。安定のデザイン。

手すりも背もたれもない公園のベンチ。踵は引きやすく、石柱よりはマシと言えます。

手すりの高いタイプ。
これは立ち上がりに便利そうです。この辺が安心ライン?

商店街のベンチですが、手すりが2段階でゆったりした大きさ。右側写真まんなかの手すりはお手製ですね。さすが高齢者の多い熊野前商店街です。

商店街の中、小学校前のベンチ。車止めを手すりに出来るような位置取りに芸を感じます。

これも小学校の備品。
災害時にはフタをとって「かまど」として機能するイスだそうです。幸いまだこれが活躍するような災害は起こっていませんが、薪はどこにおいてあるのでしょうw。
イス自体の安全性は△ですね。

・・・と、イスから見える安全性を観察してみました。

イスも自然に生えてきたものではなくw誰かが置いたものなんですよね。気遣いのあるものはやはり見てわかります。
またすべてのイスが高齢者向けというわけでもないので、デザイン重視のものも当然あります。

うまく見極めていきたいものです。

(追記)
高齢者や足に障害のある方は、ガードレールや交通標識の柱、電柱などいろいろなものに「手をついて」歩いている様子がよく見られます。

いま都電通りが電柱地下埋め込み作業の真っ最中ですが、
こういう意外なニーズは計算に入っているのでしょうか(^^;)。